アイコンズ・オブ・ウイスキー 2018【前半/全2回】
今年で第16回目を迎えた「アイコンズ・オブ・ウイスキー(以下IOW)」は、ウイスキーマガジンの発行元でもある英国パラグラフ・パブリッシング社主催の世界的なコンテスト。「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」が製品としてのウイスキーを対象とするのに対し、IOWは世界のウイスキー業界に著しい貢献を果たした企業、蒸溜所、人物、小売店などを表彰する。2018年の受賞者を2回に分けてご紹介。
ディスティラー・オブ・ザ・イヤー
イアン・マクロード・ディスティラーズ(スコットランド)
イアン・マクロード・ディスティラーズを設立したレオナード・J・ラッセル・シニアは、独立した存在から主体的な事業をおこなう信念を貫いてきた。自分で厳格な基準を定め、それに見合ったウイスキーだけを手がけるポリシーの根幹はここにある。現在はグレンゴイン、タムドゥー、アイル・オブ・スカイの各蒸溜所を保有し、最近はローズバンク蒸溜所の再生を発表して大きな話題を呼んでいる。
入賞
バッファロートレース(アメリカ)
ニューワールドウイスキー蒸溜所(オーストラリア)
アイリッシュ・ディスティラーズ(アイルランド)
ディステル(南アフリカ)
ブランドイノベーター・オブ・ザ・イヤー
グレンフィディック/ウィリアム・グラント&サンズ(スコットランド)
ウィリアム・グラント&サンズ傘下のグレンフィディックは、「エクスペリメンタル・シリーズ」で果敢にも既存のルールを塗り替えた。グレンフィディック蒸溜所は自由と可能性を追求する哲学を自負しており、近頃発売された「IPAエクスペリメント」はまさにその精神を体現したもの。シリーズの最新作は、アイスワインの樽で熟成した革新的な「ウィンターストーム」である。
入賞
ブレッケンリッジ蒸溜所(アメリカ)
マクラーレン・ヴェイル(オーストラリア)
タラモアデュー(アイルランド)
コンパスボックス(イングランド)
ビジターアトラクション・オブ・ザ・イヤー
オールドジェムソン蒸溜所(アイルランド)
1780年、ジョン・ジェムソンがボウ・ストリートに創設したオールドジェムソン蒸溜所。開業から200年以上経った今、この伝説の場所で提供される蒸溜所ツアーとプレミアムなテイスティング体験が大人気を博している。訪問者はブレンディングの技法を学び、自分用のウイスキーをブレンドして持ち帰ることも可能。このような贅沢が、ダブリン中心部のスミスフィールドで味わえることは大きな喜びだ。
入賞
メーカーズマーク蒸溜所(アメリカ)
ヘリヤーズ・ロード(オーストラリア)
山崎蒸溜所(日本)
デュワーズ・アバフェルディ蒸溜所(スコットランド)
クラフトプロデューサー・オブ・ザ・イヤー
コッツウォルズ蒸溜所(イングランド)
2014年に設立されたコッツウォルズ蒸溜所は、生産地の特性を重視した高品質な製品で有名。創業からわずか数年のうちに、確固たる名声を獲得した。蒸溜の世界は初体験というスタッフでチームを組んだが、経験豊富なメンターたちの指導も仰ぎながら、自分たちの蒸溜所をゼロから築き上げるという偉業を達成した。
入賞
バルコネス蒸溜所(アメリカ)
サリヴァンズ・コーヴ(オーストラリア)
ディングル蒸溜所(アイルランド)
バリンダロッホ蒸溜所(スコットランド)
マスターディスティラー/マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤー
アンディ・ワッツ/ディステル(南アフリカ)
アンディ・ワッツの最初の仕事は、英国ヨークシャーのバーンズリーにある木材置き場の労働者だった。それから幾十年の歳月が過ぎ、現在は南アフリカのウイスキー革命を静かに先導する存在。同地の素晴らしいウイスキーの魅力を世界中に広めている。
入賞
マシュー・ホフマン/ウェストランド蒸溜所(アメリカ)
ベン・カーギ/グレート・サザン・ディスティリング・カンパニー(オーストラリア)
ビリー・レイトン/アイリッシュ・ディスティラーズ(アイルランド)
ステファニー・マクラウド/デュワーズ(スコットランド)
ディスティラリーマネージャー・オブ・ザ・イヤー
提供:ブロックスバーン・プロパティーズ
ヴィクトリア・マクレー・サミュエルズ/メーカーズマーク蒸溜所(アメリカ)
バーボン蒸溜所の運営部門で、初めての女性ヴァイスプレジデントとして活躍するビクトリア・マクレー・サミュエルズ。豊富な専門知識を駆使しながらメーカーズマーク蒸溜所のあらゆる業務を監督し、90人の部下とともに円滑な運営を続けている。蒸溜からボトリングまで、「メーカーズマーク」および「メーカーズマーク 46」の生産をしっかりと管理するのがビクトリアの役割である。
入賞
キャメロン・サイム/グレート・サザン・ディスティリング・カンパニー(オーストラリア)
リサ・ライアン/ウォルシュ蒸溜所(アイルランド)
張郁嵐(イアン・チャン)/カバラン(台湾)
グレアム・クール/グレンマレイ蒸溜所(スコットランド)
アメリカンウイスキー・ブランド・アンバサダー・オブ・ザ・イヤー
アダム・ハリス/ビームサントリー(アメリカ)
ビームサントリー入社は2006年。それ以来、アダム・ハリスは同社が保有するアメリカンウイスキーを一手に担当し、アメリカ国内外でブランドのストーリーを伝導してきた。2010年にはその功績が認められ、ケンタッキー州知事より「ケンタッキー・カーネル」の称号を授かっている。持ち前の情熱と人懐っこさで、年中ジムビームやメーカーズマークの生産チームと協働。バーボンの製造法やフレーバーを深く学び、新製品のセレクションにも貢献している。日々の特別な経験について、老若男女隔てなく語り合うのがアダムの喜びだ。
アイリッシュウイスキー・ブランド・アンバサダー・オブ・ザ・イヤー
ジェラード・ガーランド/アイリッシュ・ディスティラーズ(アイルランド)
アイリッシュウイスキー業界で働き始めたのは20年ほど前のこと。現在のジェラード・ガーランドはアイリッシュ・ディスティラーズでアドボカシーチームのマネージャーを務め、アイリッシュウイスキーの親善大使として活躍している。自社ブランドだけでなく、すべてのアイリッシュウイスキーの魅力を伝えるのがジェラードの流儀。「仕事だと思ったことがない」という言葉の通り、自身の業務をウイスキー生産の集大成と捉えながら熱心に活動を続けている。
入賞
ドーナル・オーガラクワイア/グレンダロウ(アメリカ)
ケイト・モーラン/ジェムソン/ペルノ・リカール(オーストラリア)
地区別の候補者も含めたアイコンズ・オブ・ウイスキーの全容はこちらから。