アイコンズ・オブ・ウイスキー 2022【第3回/全3回】

April 7, 2022

「アイコンズ・オブ・ウイスキー(以下IOW)」は、ウイスキー業界に貢献して貢献してきた人々への祝福。ノミネートから地域ごとの最高賞を選び、最終的な投票で今年の世界一を決める。最終回となる第3回は、ボトリングや流通の分野でメーカーとファンを地道に繋いでくれた企業と個人をご紹介。


 


 

インディペンデントボトラー・オブ・ザ・イヤー

レディ・オブ・ザ・グレン(スコットランド)

膨大なブレンデッドウイスキーの山に埋もれて、忘れ去られてしまいそうなウイスキーをボトリングしたい。そんなビジョンを持ったグレゴール・ハンナは、2012年にハンナ・ウイスキー・マーチャンツを設立した。最初の融資で2つの樽を手に入れ「レディ・オブ・ザ・グレン」の商標で最初のシングルカスクウイスキー商品をボトリング。発売と当時に一部で熱狂的なファンを獲得した同社は、やがて輸出業にも進出するようになった。最近では自社のボトリング施設を開設し、世界各地の著名な樽工房とも実りある関係を築いている。すでに独立系ボトラーの新星という当初のイメージを脱却し、現代のウイスキー業界で重要な役割を担うまでに成長した。

 
入賞

  • プルーフ&ウッド・ベンチャーズ(アメリカ)

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    リテイラー・オブ・ザ・イヤー(複数店舗)

    協賛:ザ・クラフト・アイリッシュウイスキー・カンパニー

    ロバート・グレアム 1874(スコットランド)

    グラスゴーにあるウイスキーと葉巻の小売店「ロバート・グレアム 1874」は、コロナウイルスが猛威を振るう世界でさまざまな取り組みを展開しながら生き残りを図った。社会生活が突然停止したことを受け、オーナーのスティーブ・ジョンストンは一連のバーチャルイベントを主導。ウイスキーファンが社会との一体感を取り戻し、引き続きコミュニティを育むための取り組みを成功させた。顧客はスコットランドの有名な蒸留所や海外の葉巻メーカーをバーチャルで訪問し、マスターブレンダーやマスターディスティラーと交流しながら、自分用の葉巻までブレンド。趣向を凝らしたサービスが高く評価された。

     
    入賞

  • ディスカバリー・ワインズ・ニューデリー(インド)
  • >エアリアンタ・インターナショナル (ARI)(アイルランド)

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    リテイラー・オブ・ザ・イヤー(単一店舗)

    提供:グレンタレット

    トニック(インド)

    アジア最大級のリカーショップ「トニック」(Tonique)は、2016年12月にオープン。膨大な数の最高級スピリッツ銘柄を常備し、ハイデラバードで最も充実したワインのセレクションも誇っている。市内の高級住宅地であるジュビリーヒルズに、敷地面積15,000平方フィートの堂々たる店舗を運営。多彩なビジネス経験を持つアニス・レディが経営を指揮し、今後も世界の主要都市に事業を拡大する予定だ。

     
    入賞

  • ケルティック・ウイスキー・ショップ(アイルランド)
  • インバルーリー・ウイスキー・ショップ(スコットランド)

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    リテイラー・オブ・ザ・イヤー(空港免税店)

    提供:グレンタレット

    エアリアンタ・インターナショナル (ARI)/ザ・ループ(ダブリン空港)「アイリッシュ・ウイスキー・コレクション」

    エアリアンタ・インターナショナル(ARI)は、世界中のトラベル・リテール分野のなかでも最大手の一角を占める存在だ。ヨーロッパ、中東、アジア太平洋、南北アメリカの諸国で、免税店のオーナーおよびマネージャーとして数々のショップを運営している。ダブリン空港の「ザ・ループ」は、顧客調査によるインサイトを集約して立ち上げられた店舗として好評を博している。そのなかでも「アイリッシュウイスキー・コレクション」は、ザ・ループに洗練されたアイルランド製品を提供するための場所。今ではこのコレクション自体が、ザ・ループでのショッピング体験に欠かせない存在となっている。

     
    入賞

  • ムンバイ・トラベル・リテール・サービス(インド)

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    リテイラー・オブ・ザ・イヤー(オンライン)

    アビーウイスキー(スコットランド)

    アビーウイスキーは、厳選された素晴らしいウイスキーをお値打ちの価格で提供するオンラインショップだ。創業以来の13年にわたって、ますますウイスキーファンに愛される有力な存在になってきている。チームは5つ星クラスのカスタマーサービスを自負し、最近はウェブサイトを一新してショッピング体験と支払いプロセスも進化させたばかり。商品の包装や配送業務においても、サステナビリティを積極的に追求している。またアビーウィスキーはスコットランド屈指の一流蒸留所からモルト原酒を厳選してボトリングも手掛け、独立系ボトラーとしての評判も確立している。

     
    入賞

  • ケルティック・ウイスキー・ショップ(アイルランド)
  • ウイスキーリスト(オーストラリア)

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    スーパーマーケット・オブ・ザイヤー

    スーパーバリュー(アイルランド)

    アイルランド全土に223店舗を展開するスーパーバリューは、30年以上にわたってアイルランド国民に愛されるスーパーマーケットチェーン。どこへ行ってもランドマークとして定着している展開力を活かし、アイルランドの地域社会に広く浸透している。チェーンではアイルランド国内にある20軒以上の蒸留所からウイスキーが仕入れ可能。地元産のウイスキー、プレミアムなウイスキー、限定品のウイスキーなども網羅している。スーパーバリューは、アイルランド最大の食品流通企業であるマスグレイブ・グループの子会社。マスグレイブ・ウィスキー・ソサエティがさまざまな銘柄のウィスキーでオンライン試飲会を開催し、年間を通じて定期的にスタッフを招待している。

     
    入賞

  • 該当なし

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    スーパーマーケット・オブ・ザイヤー(独自ウイスキーブランド)

    リドル・アイルランド(アイルランド)

    リドルが手掛ける自社ブランドのウィスキーは、ますます品揃えを充実させて賞賛を集めている。その状況は、アイルランドも例外ではない。年を追うごとに消費者の意見を取り入れながら、いつも高品質のウィスキーを魅力的な価格で提供するスーパーマーケットとしてすっかりおなじみになっている。昨年は、定評あるシングルモルトの「ダンダルガン」シリーズをさらに強化し、スタウト樽フィニッシュやIPA樽フィニッシュなどのユニークな後熟を施したウイスキーも発売して話題になった。

     
    入賞

  • 該当なし

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    バイヤー・オブ・ザ・イヤー

    マイク・シャープルズ/アビーウイスキー(スコットランド)

    一族経営の小規模企業を代表するバイヤーなので、マイク・シャープルズは巨額の取引を期待するブランドとは仕事がやりにくいと本音を吐露している。それでも小売業者としてウイスキーブランドの販売促進に貢献する立場から、最高レベルのプロ意識を追求することでアビーウイスキーの成長を後押ししてきた。その結果、現在のアビーウイスキーは業界最大手のさまざまな人気ブランドとも密接な協力関係を確立するまでになった。マイクは独立系ボトラーズの熱心な支援者でもあり、オンラインショップでは誇らしげに専用のコーナーを設けてユニークなボトリングの紹介に力を入れている。

     
    入賞

  • ティンマイヤ/ムンバイ・トラベルリテール(インド)
  • トレイシー・ジョーダン/エアリアンタ・インターナショナル(アイルランド)

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    地区別の候補者も含めたアイコンズ・オブ・ウイスキーの全容はこちらから。

     
     

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