ラグジュアリーでリッチなラフロイグが登場

August 29, 2016


アイラ島のラフロイグ蒸溜所から、シングルモルトスコッチウイスキー「ラフロイグ ロア」が数量限定で発売される。多彩な香味を融合させたリッチなウイスキーを目指したというジョン・キャンベル蒸溜所長が、この話題の新商品について詳細を明かしたインタビュー。

 

文:WMJ

インタビュアー:ガヴィン・スミス

 

蒸溜所の伝統を再解釈して「ラフロイグ ロア」をつくったと語るジョン・キャンベル蒸溜所長。ダークグリーンのラベルが、そのユニークな特長を象徴している。

スモーキーな味わいのウイスキーが多いアイラ島のモルトウイスキーのなかでも、とりわけリッチな風味から「アイラモルトの王者」と讃えられるラフロイグ。チャールズ皇太子が愛飲する王室御用達ブランドとしても知られ、日本にも熱烈なファンは多い。

9月13日より発売される「ラフロイグ ロア」は、1815年の創業以来受け継がれてきた技術と経験を次世代へ伝承すべく、ジョン・キャンベル蒸溜所長が情熱を注いだボトル。ウイスキージャーナリストのガヴィン・スミスが、この新商品に込められた革新的なアイデアの詳細をキャンベル氏に訊ねた。

 
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Q1:「ラフロイグ ロア」という名前の由来は?

 
ジョン・キャンベル:
辞書で「ロア」という言葉の意味を引いていただければご理解いただけるでしょう。「ロア」とは、主に口伝によって受け継がれてきた先祖代々の伝統を意味する言葉。私たちはラフロイグで200年以上にわたってウイスキーづくりを続けており、ノウハウと知識を世代から世代へ、蒸溜所長から蒸溜所長へと引き継いできました。今回の新しい表現を生み出す土台となった、何世代にもわたるノウハウと知識への敬意を「ロア」という名前に込めているのです。
 

Q2:他のラフロイグ商品との違いは?

 
ジョン・キャンベル:
過去10年の間、ラフロイグの新しい表現といえば、バーボンバレルで熟成した原酒に2次熟成や3次熟成を加えることが主体でした。以前はラフロイグのニューメイクのすべてがバーボンバレルで貯蔵されていましたが、ビーム傘下になってからはオロロソシェリーのホグスヘッド(ファーストフィルとセカンドフィル)、クォーターカスク(ファーストフィルとセカンドフィル)、一度ラフロイグを貯蔵した古樽などでもニューメイクを熟成するようになっています。以上の3種類のカスクに、ダブルマチュアード(バーボンバレルとヨーロピアンオークバレル)の原酒を加えてマリッジすることで、ラフロイグのなかでも特にユニークな風味を生み出したのが「ラフロイグ ロア」です。
 

Q3:リッチなラフロイグのなかでも、ひときわリッチなウイスキーと謳っている理由は?

 
ジョン・キャンベル:
そもそも私たちは、すべてのスコッチウイスキーのなかでラフロイグがもっともリッチなウイスキーであると考え、全商品ラインでその特長を誇ってきました。「ロア」をつくる際のミッションは、ラフロイグの真髄と呼べるようなウイスキーを生み出すこと。トレードマークである薬っぽいピートのスモーク香はそのままに、驚くべき深みと複雑さを持った味わいを目指しました。7年から21年までの幅広い熟成年とカスクタイプの原酒を使用し、これまでにない深みのあるフレーバーが達成できたことから「リッチのなかのリッチ(richest of the rich)」と呼ぶに相応しいボトルだと考えています。
 

Q4:スタイルにおける特別な点は?

 
ジョン・キャンベル:
最初から完全にシェリーのホグスヘッドで熟成した原酒、クォーターカスクで熟成した原酒、21年熟成の原酒がそれぞれの個性を発揮し、「ロア」にしかないユニークな深みを表現しています。ウイスキーはリッチかつスモーキーで、ビターチョコレートの感触と強烈な唐辛子のようなパンチを舌の上で感じるでしょう。その後でピート香がどんどん甘味を増して、余韻が長く忘れがたいフィニッシュに至ります。この傑出した特長を他のボトルと明確に区別するため、ビジュアルにはダークグリーンのラベルを使用しました。ほとんど色彩を逆転したイメージで他のボトルと区別し、「ラフロイグ ロア」が類まれなウイスキーであることを明示しています。
 

Q5:シェリーカスクの影響を表現したこれまでのラフロイグは?

 
ジョン・キャンベル:
シェリーカスクの影響がはっきりと現れているのは、25年、27年、32年だけ。どれもラフロイグで特に価値が高い評判のボトルです。ラフロイグファンが、これらのボトルと同質の影響を「ロア」に感じ取っていただけたら嬉しいですね。
 

Q6:アルコール度数を48%でボトリングした理由は? 

 

ジョン・キャンベル:
ひとつはチルフィルターを使用せずにボトリングできる度数であること。また46%よりも48%のほうが味覚のバランスがいいこと。そんなシンプルな理由から48%にしました。
 

Q7:ラフロイグ ロアとは、つまりどんなウイスキー?

 
ジョン・キャンベル:
蒸溜所の知見の総体を、私なりに解釈したボトル。トレードマークである薬っぽいピートのスモークに、深みとバランスがとれた味わいを実現しました。ジョンストン兄弟がラフロイグを創設して以来、過去200年の進化をもたらした数々の特長を反映しているウイスキーです。新しいウイスキーづくりの技術を開拓したイアン・ハンターやベッシー・ウィリアムソンらの功績は言うまでもありません。このようなウイスキーづくりが可能になったのは、アイラウイスキーの巨人たちが残した実績を土台にすることができたから。知識と伝統をもとに、ラフロイグの重要な特長を再解釈して、リッチなラフロイグのなかでもとりわけリッチなウイスキーをつくることができたのです。
 
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ヨーロピアンオークの新樽で熟成した後、ファーストフィルのバーボン樽に移し替えて熟成させたダブルマチュアード原酒をはじめ、ラフロイグ蒸溜所が保有する特別なモルト原酒をヴァッティングしてつくられた「ラフロイグ ロア」。リッチでスモーキーな上にアイラ島の海岸を連想させる潮の香りがあり、柔らかな甘みや芳醇でフルーティな味わいと、長い余韻が特長だ。ウイスキーファンにはぜひこの機会にお試しいただきたい逸品である。
 
 

商品名:ラフロイグ ロア

容量:700ml
希望小売価格:10,000円
アルコール度数:48%
※価格は販売店の自主的な価格設定を拘束するものではありません。
発売期日:2016年9月13日(火)
日本国内:3,000本限定
 
“アイラモルトの王”と呼ばれ、世界で最も愛されているアイラモルト「ラフロイグ」の製法やラインナップを紹介したオフィシャルサイトは>こちらから。

 

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