ザ・マッカラン 「マスター・オブ・フォトグラフィー マリオ・テスティーノ エディション」発売
著名な写真家とのコラボレーション企画で誕生したザ・マッカランの限定品発表会と、ブランド最高責任者ケン・グリア氏への独占インタビューをお届けする。
ザ・マッカランが世界的に有名な写真家とコラボレーションする企画「ザ・マッカラン マスター・オブ・フォトグラフィー(MOP)」。
これまでに4回リリースしており、それぞれ異なるコンセプトやターゲットを掲げて話題を呼んでいる。例えば2012年には写真家アニー・リーボヴィッツがかつて蒸溜所で働いていたという世界的な映画俳優ケヴィン・マキッドを撮った4つのラベルをリリースしている。
第5弾となる今回は、英国在住の写真家マリオ・テスティーノ氏が撮影した6人のキャラクターの写真を使用。この6人は、ザ・マッカランを支える6つのこだわり「シックス・ピラーズ」になぞらえている。
このエディションの注目すべき点は、「シックス・ピラーズ」…「イースターエルキーハウス」、「スペイサイド最小のポットスチル」、「16%のファイネストカット」、「樽へのこだわり」、「天然色」、「類まれなるウイスキー」を象徴する6樽を選び出してブレンドしている点だ。そしてボトルセットには、その6つの構成原酒のミニチュアがついている。しかも世界で1000セット、日本では80セットのみの限定発売…非常にコレクター心をくすぐるアイテムだ。
この「MOP」だけでなく、ザ・マッカランではクリスタルブランドの「ラリック」を使用したボトルや世界No.1レストランとのタイアップによる「1食100万円のフルコース」など、究極ともいえるブランディングを続けている。その仕掛け人でもあるのが今回来日したケン・グリア氏だ。
今回、ザ・マッカランブランド最高責任者である同氏に特別にインタビューのお時間をいただいた。
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ウイスキーマガジン・ジャパン(以下WMJ) 本日はお時間をいただきありがとうございます。
シングルモルトの中でも、ザ・マッカランは特に、口にするときに多くの人が贅沢な気持ちになれる特別なウイスキーだと思います。さらに「MOP」のように世界的な写真家や、高級クリスタルメーカーとのコラボで付加価値をつけていますね。このような発想はどこから得られたのでしょう?
ケン・グリア氏(以下KG) まず、私自身写真が好きということがありますね。「MOP」ではザ・マッカランを中核として、写真家の方々の自由な発想を毎回取り入れています。例えば第1回目にランキン(英国人写真家)にお願いした時は、ポラロイドを使用しました。全てが一つ限り…ウイスキーの樽と同じです。このようにテーマを設けて「美の追求」を続けています。
高級ブランドとのコラボでは「違う分野の匠に評価される、他の追随を許さないラグジュアリーブランド」としてのポジションを確立しました。このようなコラボを通じて、これまでスコッチを飲んだことがないけれども「ラグジュアリーなもの/体験」が好きな方々にも「ザ・マッカランがどういうものか」を知っていただく機会になりました。
WMJ 特に今回の「MOP」では、6人のキャラクターや6つの樽、6本のミニチュアボトル、樽番号も全て6がつくもの、と「6」をキーワードとして「シックス・ピラーズ」を強く押し出している印象を受けました。今回のターゲットはファッション層と伺いましたが、その層に「シックス・ピラーズ」を浸透させたいとお考えなのでしょうか?
KG 私たちはスコッチの枠にとらわれず、いろいろな方にアピールをしていきたいと考えていますが、最終的には「本質はウイスキーにある」と考えています。ファッション性やコレクターアイテムとして今回ご興味をお持ちになった方々にも、ザ・マッカランの本質…20万樽の中から選び抜いた6つの樽であり、「シックス・ピラーズ」というこだわりに裏打ちされたウイスキーであることを知っていただきたいと思っています。
WMJ このリリースに興味を持ちながらも、非常に限られた本数ということで、味わうことができない方も多いかと思います。そのような方にお勧めしたいアイテムはありますか?
KG 複数の要素で構成されているのが今回の「MOP」なので、すぐにこれをとお勧めすることはできませんが…例えば、バニラ、トフィー、シナモンは「12年」から、ダークで深みのあるクローブなどの特徴は「18年」から感じることができるでしょう。「ファインオーク15年」ではシトラス、オレンジなどの爽やかな香りが楽しめます。そのような既存のアイテムの中に今回のボトルの要素が隠れていますので、ぜひそれを見つけていただけたらと思います。
WMJ 個人的に、グリアさんが一番お好きなボトルはどちらですか?
KG いやあ、これは難問だ! そうですね、特に好きなものは2つ…食前であれば「ファインオーク12年」、食後なら「18年」をロックでゆっくりと。もちろん状況によります…昨夜はお寿司でしたが「ファインオーク12年」のハイボールはぴったりです。
WMJ では、今度は蒸溜所のお話を聞かせてください。現在、新蒸溜設備とビジターセンターを建設中と伺いましたが、現行の蒸溜所と合わせて新しい設備が稼働するということでしょうか?2
KG いえ、一旦今の蒸溜施設は休止して、全て新しい施設で行う予定です。もちろん既存のものと同じ形状のポットスチルを使用し、変わらない環境、しかしより整った設備の中で生産します。
WMJ 「シックス・ピラーズ」では「スペイサイド最小のポットスチル」と説明されていますが、全て同形のオニオン型のスチルなのですね。
KG はい、新しく導入するスチルも同じ形で揃える予定です。スチルが小さいため、内部の還流も小さくなり、オイリーで風味豊かなスピリッツができます。これこそがザ・マッカランの特徴であるシェリー樽熟成…樽由来の色、フレーバーを反映させるのにふさわしいスピリッツです。そのためには、この形が最適だと考えています。
WMJ 例えば山崎や白州では「多様な原酒づくり」という取り組みの中で、様々な形状のスチルを採用しています。しかしザ・マッカランでは「シェリー樽に調和するスピリッツをつくる」ということに重点を置いているということでしょうか。
KG 仰る通りです。ザ・マッカランの風味の60%はシェリー樽がもたらすと我々は考えています。高品質のシェリー樽のフレーバーをウイスキーにたっぷりと乗せる、というのがザ・マッカランのユニークな点です。
WMJ それが「シックス・ピラーズ」の「天然色」、「類まれなるウイスキー」という2つにも繋がっていくということですね。
では、最後に日本のウイスキーファンにメッセージをお願いします。
KG まず、日本のザ・マッカランファンの皆様に感謝を申し上げます。ザ・マッカランのフルーティーなファインオークシリーズ、リッチなシェリーオークシリーズ、どちらも日本の皆様にお楽しみいただいていることと思います。昔からのこだわりのもとにつくり上げられた、伝統的かつ最高のシングルモルトです。これからも変わらぬザ・マッカランをお届けしたいと思いますし、時々は今回のようなスペシャルエディションもご紹介したいと思います。ぜひこれからもザ・マッカランをお楽しみ下さい。
WMJ ありがとうございました。
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すでにブランドとしてもトップレベルで君臨しているにもかかわらず、「MOP」のようにユニークで革新的な試みを続けるザ・マッカラン。6つのこだわり「シックス・ピラーズ」を感じ、またラグジュアリーな世界観を堪能しつつ、これからもお愉しみいただければと思う。
商品詳細
商品名 「ザ・マッカラン MOP(Master of Photography)マリオ・テスティーノエディション」
希望小売価格(税別) 380,000円
セット内容
―「ザ・マッカラン MOP」(700ml アルコール度数46%) 1本
―「 同 」構成原酒(50ml)6種各1本
―「ザ・マッカラン」をテーマにした写真(マリオ・テスティーノ氏撮影) 1枚
―「ザ・マッカラン」ブランドブック 1冊
発売数量 80セット限定
発売期日 2014年11月11日(火)