143号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

July 10, 2017


from Issue 143

テイスティング:ローラ・フォスター、マーク・ニュートン


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってRecommendedもしくは Editors Choice が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

グレンドロナック シングルカスク バッチ14 26年1990  26年  50.8%

  • 蒸溜所名: グレンドロナック蒸溜所
  • 地域: ハイランド
  • 価格帯: -181
  • 入手可能場所: 全世界

ローラ・フォスターSCORE9.0

香り
まずはフルーツケーキがご挨拶。ブラジルナッツ、クルミ、歯ざわりのよい赤いフルーツ(特にクランベリー)。ナツメグ、ショウガの粉末、オレンジの皮、デメララシュガー。おまけに木のつや出し剤。
おいしい。あの赤いフルーツが強調されたおいしいフルーツケーキを食べながら、同時によく磨かれた木製の食器棚を舐めている感じ。甘くておいしいスパイスがある。
フィニッシュ
ダークチョコレートがオレンジといっしょに駆け抜ける。
コメント
おそらくヨーロピアンオークで熟成されたものだと推測している。今号はアメリカンオークのウイスキーが多いなかで、ひときわ印象的なウイスキーだった。だがそんな状況を抜きにしても、見事なウイスキーであることに違いはない。

マーク・ニュートンSCORE9.0

香り
海鮮醤、プラムのジャム、バルサミコ酢。コーラ漬けにしたフィグロール。ブラックベリーに、苦いチョコレートとコーヒーのかすかな香り。ラズベリーのクーリ。糖蜜。目まぐるしい香り。
驚くほど舌にまとわりつくが、タンニンの強さはそれほどでもない。カシス、乾燥イチジク、レーズン、ナツメグ、アーモンドオイル。ティラミス。またもや糖蜜風味があり、ダークチョコレート、チコリ、プルーンの感触を伴っている。心はいつしかボルドーへ。
フィニッシュ
余韻は長く、濃厚でオイリー。好ましい意味でのカビの匂い。
コメント
夜を締めくくる最後の1杯に最適なウイスキー。愛しき闇よ、こんにちは。



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