169号　テイスティングコメント　【前半／全2回】

September 21, 2020

from Issue 169

テイスティング:ロブ・アランソン、ベッキー・パスキン

世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。

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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ（製造年）違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended（銀賞）もしくは Gold Editors Choice（金賞）が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

コッパーリパブリックシングルグレーンバーボンカスクフィニッシュ 43.0%

蒸溜所名: コッパーリパブリック蒸溜所
地域: 南アフリカ
価格帯: £26-70
入手可能場所: 全世界

ロブ・アランソンSCORE9.4

香り: とても力強いリッチなグレーン香。コーンブレッドと薪の火で焼いたスイートコーン。スモークした生ハム。そんな甘さとスモーク香の融合が感じられる。ねっとりとしたバーベキューソースような香味要素もある。
味: 口に含んでも極めて力強く広がる風味。ねっとりとした甘味が口内をコーティングして、カリカリのベーコンとメープルシロップをかけたパンケーキの味わい。樺の木の樹液。時間が経つにつれてフルーツ風味が立ち上がり、パイナップルやネクタリンのような印象で変化をつける。
フィニッシュ: 風味はずっと続いている。コーヒーの粉やスチームミルクの後味を残しながら、ゆっくりとドライに霧散する。
コメント: 本当に素晴らしいグレーンウイスキー。これからグレーンウイスキーの品質を評価する際の基準になるだろう。

ベッキー・パスキンSCORE9.0

香り: 驚くほど脂質を感じさせるまろやかな香り。バーベキューで焼いた肉、アンズの芯、チェリーの枝、ざらついたモモの皮、焼いたアーモンドなどのアロマがある。
味: オイリーで、すぐに口内を覆うような舌触り。ジューシーなフルーツ風味にあふれている。モモの果肉、乾燥アンズ、フルーツ-たっぷりのダンディーケーキ。厚切りベーコンがしっかりとした肉っぽさを加え、一方ではドライなオーク由来のタンニンと木のスパイスがあらゆる風味のまとめ役になっている。背後には、ちょっと草っぽいメンソールのトップノートが漂っている。
フィニッシュ: 脂っぽいグレーン風味の後味。肉っぽく、唾液を誘うような余韻。濃厚な印象がいつまでも続いていく。
コメント: 南アフリカの驚くべきグレーンウイスキー。南アフリカ流のバーベキューを楽しみながら、じっくりと味わってみたい。