192号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

July 12, 2023

from Issue 192

テイスティング:ベサニー・ワイマーク、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

グレンスコシア ビクトリアーナ    54.2%

  • 蒸溜所名: グレンスコシア蒸溜所
  • 地域: キャンベルタウン
  • 価格帯: £71-120
  • 入手可能場所: 全世界

ベサニー・ワイマークSCORE8.6

香り
バジル、パセリ、ミントなど、草のようなハーブの香り。かすかに油絵の具や生牡蠣の匂い。ペアドロップキャンディとミントキャンディ。生のリンゴと上白糖。かすかに藁や穀物(未調理)の匂い。トフィー味のアイスクリーム。
口当たりはミディアムボディからフルボディ。ジューシーな夏のフルーツ盛り合わせが前面に出ている。イチゴ、ラズベリー、カシス、かすかにネクタリン。ミルクチョコレートでコーティングしたキャラメル。アイスクリームの風味がラムレーズン味に傾いていく。コーンのフリッターや、かすかなナツメグと乾燥バジルのような味わい。
フィニッシュ
余韻の長さはミディアム。ラムレーズン味のアイスクリームとナッツ風味のシェリーを思い起こさせる後味。
コメント
心地よいまで複雑な香味があり、ゆったりと深く味わうのにぴったりのウイスキー。

クリストファー・コーツSCORE8.5

香り
最初はエルダーフラワーやタンポポなどのフローラルな香りがはっきりとあり、加熱したブルーベリーのような匂いもするがゆっくりと消えていく。やがてペアドロップキャンディと蜜蝋の香り。かすかにエンジンオイルのような感触。バニラエッセンスとトフィー。その底には、ホットマッシュやバターを塗った焼き立てのパン。
口当たりは重厚なフルボディ。本物のハニーコムのように、ねっとりとした蝋を思わせるテクスチャー。トフィーアップルとヘーゼルナッツ。砂糖漬けにした柑橘の皮がたっぷり入ったフルーツケーキ。高級なオリーブオイルを思わせるオイリーな感触。
フィニッシュ
余韻の長さはミディアムから長め。ヘーゼルナッツの後味や、蝋のような感触がいつまでも続く。
コメント
グラスの中で、香味がどんどん素晴らしく進化するウイスキー。



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