カリブ海エリアNo.1ラム「ブルガル」来月発売
「ブルガル」はカリブ海沿岸の地域でNo.1のシェアを誇り、欧米でも飛躍的に売り上げを伸ばしているラムだ。約20年前から海外への輸出を始め、2011年には世界第3位の販売数を誇っている(IMPACT 2012年2月号より)。このラムが満を持して日本国内でも来月から発売となる。カリブ海に浮かぶ島・ドミニカ共和国でつくられるラムとウイスキーにどんな繋がりがあるのか?
9月18日に渋谷にて、カリブ海沿岸地域でNo.1のシェアを誇る「ブルガル」の新商品発表会が開催された。サントリー酒類(株)から新発売となるのは「ブルガル ブランコ」、「ブルガル アネホ」、「ブルガル1888」の3銘柄で、ホワイトラム、ダークラム、プレミアムラムをいずれのジャンルもカバーするラインナップだ。
まずサントリー酒類(株)執行役員スピリッツ事業部長、土田雅人氏からの挨拶。続いてドミニカ協和国特命全権大使のペドロ・ベルヘス・シーマン閣下がステージに上がり「ブルガルの日本での発売をきっかけに、日本とドミニカ共和国の結びつきがより強くなることを願っています」と挨拶した。
そしてブルガル社マスターブレンダー、グスタボ・オルテガ氏により自社の経歴と商品が紹介された。D・アンドレス・ブルガル氏(オルテガ氏の曾祖父)は19世紀半ばにスペインからキューバへ渡り、ラムづくりを学んだ。その後1888年にドミニカ共和国にて創業し、同国のラム産業のパイオニアとなったのだという。現在オルテガ氏は5代目マエストロ・ソロネイレス(マスターブレンダー)として4代目の父・叔父と共に活動している。
ウイスキーマガジンとして注目したいのは、商品説明で語られたザ・マッカランの樽管理技術を導入している点だ。
ブルガル社が保有する25万樽のラムは、マッカランの樽管理責任者「マスター・オブ・ウッド」が管理する貯蔵庫で熟成されている。ホワイトラムの「ブランコ」、ダークラムの「アネホ」はアメリカンホワイトオークの樽で、プレミアムラムの「1888」はザ・マッカランで使用するのと同じスパニッシュオーク・シェリー樽で熟成されている。「マスター・オブ・ウッド」ジョージ・エスピー氏 を始めとする「樽が中味に及ぼす影響」を熟知している専門家たちの参入により、ブルガルは個性的かつ高品質なラムとしてブランドを確立したのだ。ウイスキー熟成の知識が他の蒸溜酒にも活かされるというのは興味深い試みであり、またそれが確立した好例であるといえるだろう。
引き続き、オルテガ氏と日本ラム協会代表・海老沢忍氏によるトークセッションがスタート。ここでウェルカムドリンクのモヒートのレシピが紹介される。塩をひとつまみ加え、スペアミントを使用し、クラッシュアイスでシェイクしたユニークなモヒートで、「ブルガル ブランコ」をベースつくられた「ブルガルドライモヒート」であることが明かされた。確かにさっぱりとしてブルガルのクリアさが活かされている。オルテガ氏も「このレシピはぜひ国に持ち帰りたい」とコメント。
海老沢氏は「ラムは白から茶色まであって多様なシーンに合わせて楽しめるお酒です。夏のカクテルだけでなく、これからの時期ゆっくり味わうのにもぴったり。ブルガルはやっと日本に来たという期待のブランド。ぜひ皆さんで楽しんで欲しい」と語った。
本誌からオルテガ氏へインタビューの機会があったので、気になった点を伺ってみた。
まず「ブランコ」は3回ろ過をするとのことなので、素材は何かと尋ねると、「チャコールです。ココナッツの実の外側を炭にしたものです」と答えてくれた。なるほど、南国らしいアイデアだ。そしザ・てマッカランの樽管理技術を導入したことについては、「これまで我々はバーボンの古樽を使う以外に方法がありませんでした。シェリー樽を使うというまたとないチャンスを得られたのはこのパートナーシップのおかげです。ザ・マッカランのエキスパートたちは、どの樽を使うことで、どのような効果(バニラ香やスパイシーさなど)が得られるかを的確に予測できるのです。非常に幅広い知識で、今後も我々のチャレンジの手助けとなってくれるでしょう。より一層高品質で、世界中の人々をハッピーにするラムをつくっていきたいと思っています」と情熱的に語ってくれた。
この「ブルガル」が発売されるのは10月23日(火)から。ウイスキーファンでもモヒートなどラムベースのカクテルを楽しむ方が多いと思うが、ザ・マッカラン樽管理技術を活かしたシェリー樽熟成のラムをストレートで、またホットカクテルなどでこの秋以降も楽しんでいただければと思う。
「ブルガル」の詳細はこちら から。