ウイスキークッキング・10 【マッシュルーム 後半/全2回】
ウイスキーと相性の良い料理や食材を紹介する連載、マッシュ―ルームについての項前半ではマッシュルームの種類をご紹介した。後半では実際にウイスキーと合わせてみよう。
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一般的に言って、キノコの土っぽくてナッティな味は、難なくウイスキーとの「架け橋」になってくれる。
キノコ料理のレシピの多くではニンニクが使われていることは知っているが、私のキッチンではニンニク禁止だ(私は前世で吸血鬼だったに違いない!)。料理にほんの少しニンニク風味を付けたかったら、白トリュフオイルを数滴垂らせば申し分ないだろう。
さて、シングルモルトの検討に入ろう。いつものように、私は出所…蒸溜所名や地域よりその風味自体を重視する。
バーボン樽で熟成したシングルモルトは、クリーミーなソース、白身肉、魚介類とよく合う。
車エビ、ロブスター、貝類を使ったパスタ料理が完璧だ。
キノコはシャントレル、バトンマッシュルーム、モレルがいいだろう。
例えば、フライパンでホタテ貝を幾つか炒めたところに生クリームを入れてよく混ぜ、刻んだモレル、ライムの皮をおろしたもの少量を入れたら、火を止める前に小さじ1杯のグレンリベット ナデューラを加える。焙った松の実を振りかけたパースニップのマッシュを添えて。
もうひとつ簡単なレシピの提案。ワッフル生地に刻んだチェストナットマッシュルームを加える。パルメザンチーズを少し加えてもいいだろう。軽やかなシングルモルト(ブルックラディ、グレンフィディック、グレンモーレンジィ、グレンロセスなどの若いエイジングのもの)の最高のつまみになる。
シェリー樽で熟成した(あるいはフィニッシュした)シングルモルトは、肉厚のキノコに、そして赤ワインかポートワインを加えて作ったソースに合うだろう。
例えば、ポートワインで調理した鹿肉にポルチーニのソテーをのせる。それから、熟成チェダーチーズと一緒にフィロ生地 で巻いて(ぱりっとした質感を加えるため)、副菜として出すこともできる。
面白い組み合わせもある – シャントレル、エシャロット、スパイス類、クルミ、ブラッドソーセージ少量で詰め物を作り、ハトかホロホロ鳥に詰める。難しいなら、チキンでもいい。ローストしたら、串に刺して焼いたポルチーニと一緒に出す。さらにひと味 – リッチなソースにフォアグラのスライスを溶かす。ぴったり合うのはダルモア、グレンドロナック15年、ベンリアック ポートウッドフィニッシュ、またはアベラワー18 年、リンクウッドなど。
若めのアベラワー(10年、あるいはダブルカスクマチュアード)はキノコ スープに合う。
数年前のスピリット・オブ・スペイサイド・ウイスキー・フェスティバル中に私がホストを努めたアベラワー・ウイスキー・ディナーのひとつで呼び物になった、キノコとグリルドベーコンのクリームスープのように。
生のポートベロマッシュルームは、オレンジと鴨の胸肉のローストを混ぜ合わせたサラダでも主役になるだろう。
ヘビーピーテッドウイスキーに触れなかったのは、キノコと合わせにくいからだ。
土っぽくてウッディなキノコなら合うだろうが、シャントレルやモレルとは難しい。キノコの風味を圧倒してしまいがちなのだ。
どのみち、アンピーテッドウイスキーだけでも多くの種類がある。キノコを楽しむには十分!