“Dig the Bog for Ardbeg!!” アードベッグ・デー開催

June 5, 2013

6月1日(土)表参道IDOLにて開催されたアードベッグ・デーのイベント、その際に発表となった新商品「アードボッグ」をレポート。

昨年から日本でも開催されているアードベッグ・デー。5月末から6月にかけての1週間、アイラ島で行われる「ジ・アイラ・フェスティバル・オブ・ミュージック&モルト」の蒸溜所オープンデーが発端ではあるが、フェスティバルに来ている人だけでなく世界中のファンにアードベッグで乾杯してほしいという目的で制定された。日本では今回初めて「アードベッグ・コミッティー」会員向けに開催したイベントで、すでにある程度アードベッグを知っている方に、もっとその世界観を楽しんでもらいたいというコンセプトである。

まず会場に入ると、アードベッグのロゴ入りパスポートを手渡された。これだけですでにアードベッグ好きなら心が躍ってしまう。イベント内のアクティビティへ参加すると、このパスポートにスタンプが押され、スタンプを3つ集めるとTシャツなどの景品が当たる抽選に参加できる。

今回のキーワードはDIG(=掘る)。これにちなんで、会場内は冒険心をくすぐる趣向が凝らされており、アクティビティはアードベッグ探検隊員として写真を撮る「Peat Photo」、土を掘って4.5Lのアードベッグボトルと同じ重さになるよう計量する「Peat Dig」、ピートの香りのお香を掴み取る「Peat Grab」など、どれも発掘作業員気分の味わえるものだ。ウイスキーのイベントといえばセミナー形式が多い中、体感型・参加型のスタイルとなっており、来場者は楽しそうにアードベッグのグラスを片手に各アクティビティに参加していた。

  

パフォーマンスとして人気だったのが、バルーン型のグラスにスモークガンで焚いたピートの煙を封じ込めて、アードベッグとともに楽しむというもの。
ピートのペレットを燻して煙を得るという代物だが、このペレットも実際にアイラ島で採取され、アードベッグに使用されるピートというこだわりだ。
強烈なピートスモークはアードベッグファンのハートを掴んだようで、会場内でインタビューしてみると一様にこのスタイルが気に入ったとの声が聞かれた。

 

そして用意されていたフードの数々もまたアードベッグに良く合う。
脂の乗ったスモークサーモンはアードベッグTENのソーダ割りにぴったりで、ホタテの燻製の潮っぽさはコリーヴレッカンのスパイシーさと相まってどちらも深みが増す。
他にもいぶりがっこやチーズなど、アードベッグのためにチョイスされたフードが並ぶ。シャベルの上に並べて提供するというのも楽しい。コンセプトを追求する大人の遊び心が見える。

 

イベントも終盤にさしかかる頃、探検隊員が壁から発掘するという演出で、新商品「アードボッグ」が登場。試飲サンプルが配布された。
ARDBOGという名前はピート湿原(PeatBog)に由来しており、このBogが今回のメインテーマにつながるというわけである。

 

 

テイスティングしてみると、香りはまず煙―枯れ草や落ち葉を燃やした煙、火の消えた暖炉。新品の革の鞄、スモークサーモン、かすかに海草やマッシュルーム。
味はビターチョコレートやコーヒーの苦味から、麦芽パンやトフィー系の甘味。すっと消えるメントール系の清涼感もあるがダージリンのタンニンも感じられる。薬っぽさ、潮、かすかにオレンジ。濃厚。

10年熟成のバーボン樽とマンサニージャ・シェリーの樽のヴァッティングとのことで、アードベッグの個性を保ちつつ新しいスタイルを示しており、若い熟成ながらボディに奥行きがあって非常に面白い。こちらは7月1日発売となる限定商品。あと1ヶ月お待ちいただき、ぜひこのユニークなアードベッグをお楽しみいただければと思う。

WWA2013でワールド・ベスト・シングルモルトウイスキーに選ばれた「宇宙のモルト」から今回の「地中のモルト」、これからアードベッグは何を仕掛けてくるのだろう? アイラの「小さな岬」が送り出すモルトは、世界中のウイスキーファンの好奇心や探究心を「掘り起こし」続けている。

 

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