Modern Malt Whisky Market2013 レポート
9月26日(木)、第8回目となるModern Malt Whisky Market 2013(以下モダンモルト)が開催された。熱気あふれるイベントの模様をレポート。
秋葉原UDX内の「アキバスクエア」では3度目の開催となる今回のモダンモルト。開場前の記者会見において、主催社である三陽物産株式会社の鳥井親一社長は
「8回目の開催を迎えるにあたり振り返ってみますと、いろいろな時期を乗り越えたという感がございます。現在はウイスキー人気も上昇し、業界内も活気に漲っています。そして大量消費から生活のゆとりを求める時期に移ってきたように思います。それに伴って、今回は会場内の壁を少なくし、ゆったりとお楽しみいただく形をとりました」と語った。
確かに会場内は昨年と違ってセミナースペースも区切られておらず、受講者でなくても立ち見で話が聴ける形式であった。セミナーは気になるが時間的に難しい、と思っていた来場者には嬉しいスタイルだ。
12時に会場の扉が開くと、来場者はまず限定ボトル販売コーナーへ一直線。
本年の最高額品はマッカラン1946(オフィシャル)が52万5000円。それからホワイトボウモア1964 43年 33万6000円、プルトニー40年 31万5000円、ボトラーズ「スコティッシュリキュールセンター」のセレブレーション・オブ・ザ・カスクシリーズ マッカラン1965 43年 フィノシェリーが23万1000円と、めったにお目にかかれないボトルが並んでいたが、開場10分でソールドアウト。
その他にもゴードン&マクファイルやダグラスレインなどのボトラーズ、オフィシャルの限定ボトル、ジャパニーズウイスキーなどが揃っていたが、瞬く間にほとんどのボトルが完売となった。
展示ブースでは、前日に発売となった竹鶴ピュアモルト、10月発売のタリスカーストーム、10月中旬発売予定のイチローズモルト 秩父ザ・ピーテッド(今回は59.6ppm)などの新商品が提供されており、一足早いテイスティングを喜ぶ来場者の姿が多く見られた。プレミアムテイスティングコーナーでは1人1回のみ限定品が試飲でき(入場の際に受け取るチケットと引き換え:その他のテイスティングはすべて無料)、人気を博していた。
また、今回新しい試みとして会場内でミニトークショーが行われた。
最初のプログラムはベンチャーウイスキーのブランドアンバサダー、吉川さんが初めてのプレゼンテーションに挑戦。新商品紹介とあわせて、3週間前に行った英国ノーフォークでのフロアモルティング体験や秩父蒸溜所内に新設した製樽工場についても語った。
製樽工場を持つことは挑戦だったが、肥土氏は職人を育てる重要性を強調。徐々に技術は向上しており、吉川さんたち蒸溜所スタッフも樽づくりを学んでいるとのこと。快進撃を続けるベンチャーウイスキーらしい前向きなニュースだ。
前回は来場者数1200名を記録し、今回は1300名を見込んだ本年のモダンモルト。最先端のウイスキーをテイスティングするだけでなく購入でき、バーテンダーは好みのボトルを仕入れ、一般来場者はコレクションや自宅で楽しむために試飲しながら選べるという「ウイスキーの喜びを持ち帰ってシェアする」イベントして定着した。次回の開催もまた楽しみである。