「シーバスリーガル ミズナラ スペシャルエディション」発売

October 1, 2013

本日、ついに日本限定のシーバスリーガルが発売となる。しかも、日本固有のオーク「ミズナラ」樽を使用したボトルである。発売に先駆けて行われたセミナーをレポート。

9月25日 コートヤード・マリオット 銀座東武ホテルにて、シーバスリーガル・マスターブレンダー コリン・スコット氏による「シーバスリーガル ミズナラ スペシャルエディション」新発売記念セミナーが行われた。
まずコリン氏より、シーバスリーガルの歴史が紹介される。
1801年、アバディーンで高級食料品販売の「シーバスブラザーズ・ショップ」を開店したのがその長い歴史の始まりだ。
当初は単にウイスキーを樽ごと購入し、販売していただけだったが、1840年代からショップで働き始めたジョンとジェームスが、その豊富な樽のストックを用いてブレンディングを行うようになる。個性が強く好き嫌いの分かれるシングルモルトと、1820年代に登場したグレーンウイスキーをバランスよくブレンドし、まろやかで親しみやすいウイスキーとして販売した。これが見事に人々の心をつかみ、評判が評判を呼ぶ。
そしてついに1909年、ウイスキーブランド「シーバスリーガル」として世に出ると、瞬く間に世界中で絶賛される。英国王室御用達としての信頼とともに、誰からも愛されるウイスキーへと成長していったのである。

そのように世界に名だたるウイスキーブランドから、今回日本市場限定品が登場したのはなぜか?
コリン氏はその理由をこう語る。
「私がシーバスブラザーズ社で働き始めた1973年、日本はわが社にとって世界で第二位の消費国でした。マスターブレンダーとして日本を初めて訪れた15年前から、日本文化の素晴らしさ、人々の温かさやシーバスリーガルに対するリスペクトの気持ちに触れ、なにか恩返しをしたいとずっと思っていました」
そしてその感謝の気持ちの表れとして、ジャパニーズウイスキーの特色でもある「ミズナラ」の樽を使用することに思い至った。

ベースには12年以上の原酒を、ミズナラ樽の特徴に合うようブレンドしたウイスキーを使用。このベースとなるウイスキーの一部をミズナラ樽でマリッジ(ブレンド後の追加熟成)させ、他の樽でマリッジしたものと再びブレンドしている。
そのマリッジ期間・その他の樽の詳細は、通常のシーバスリーガル製品同様、謎に包まれている。「これは企業秘密」というのはブレンダーという職人ならもっともであろう。このような特殊なボトリングの詳細は明らかにできるものではない。

コリン氏はグラスを掲げ、乾杯を促す。
「日本だけにあるものを使って、日本の皆さんのためだけにつくりました。ぜひ楽しんで下さい。スランジバー!」

では、その「シーバスリーガル ミズナラ スペシャルエディション」を試飲してみよう。
この日はシーバスのブレンディングの核となるストラスアイラ12年、シーバスリーガル12年・18年・25年も同時に比較テイスティングをさせていただいた。
以下は本誌記者のテイスティングコメント。ご参考にしていただければと思う。

ストラスアイラ12年:ほんのりとナッティかつモルティ。リンゴや草のような青っぽさ。
シーバス12年:蜂蜜、紅茶、マーガレットのような花の香り、ミント。バランスが非常に良い。
シーバス18年:フルボディでミーティ。かすかにスモーク。カカオ、農場の土、レーズン。
シーバス25年:ビターチョコレート、黄桃、ドライアプリコット。ランシオ香が少々。奥にピート、コーヒー。
ミズナラエディション:香りはシトラスやオレンジピール、アーモンド、ミズナラ特有の軽いワクシーさ。
味わいはショウガ味のキャンディ、アプリコット。タイムなどのハーブ、和梨、のど飴(甘草)、トフィー。

同じ12年ということで定番商品の12年と比べてみると、確かにスパイシーさがあり、ウッディなグリップがある。やや荒削りな木の印象があるが、それこそがミズナラの新樽からのフレーバーだろう。非常に面白い比較だ。

日本市場限定商品ではあるが、国内では定番商品と並んで通年販売されるとのこと。つまり、焦って買いに走る必要はない。コリン氏の“Thank you!!”を受け止めて、ゆっくりといただこうではないか。いつものバーで、自宅のボトルコレクションとして、気軽に「我々だけのミズナラ」が楽しめる。こんな贅沢を届けてくれたコリン氏に、我々からも感謝の意を送りたい。
コリン氏にじっくりとお話を伺ったインタビューは後日アップするので、こちらも楽しみにお待ちいただければと思う。

商品詳細

商品名: シーバスリーガル ミズナラ スペシャルエディション
発売日: 2013年10月1日(火)
発売国: 日本国内市場限定
価格: オープン価格
容量: 700ml
アルコール度数: 40%
熟成年数: 12年以上

 

 

関連記事はこちら
世界のウイスキー、100人のレジェンド その2【全4回】
集中講義 樽を知る 【その2/全3回】
「シーバスリーガル ミズナラ スペシャルエディション」登場

カテゴリ: Archive, features, TOP, イベント, 最新記事