スモーキーなハイランドモルト「アードモアレガシー」が今春新発売

January 29, 2016

ウイスキーの魅力といえば、スモーキーなフレーバーを連想する人も多いはず。3月29日より発売されるハイランド生まれのシングルモルトウイスキー「アードモアレガシー」は、その爽やかなスモーク香で「スモーキーモルト」の愉しみをさらに広げてくれる新商品だ。

文：WMJ

国内ウイスキー市場の成長が止まらない。ビームサントリー社の分析によると、着実に支持を伸ばしているのはスモーキーなタイプのモルトウイスキーである。同社の銘柄にはアイラ島の「ボウモア」と「ラフロイグ」、さらにはアイルランドの「カネマラ」といったスモーキーモルトが揃っているが、ここに新しいスモーク香の基軸を加えてくれるのがハイランド生まれの「アードモア」だ。

アードモア蒸溜所は、スコットランドのアバディーンシャー州ケネスモント近郊を流れるボギー川のほとりにある。ウィリアム・ティーチャーの息子アダム・ティーチャーが、自社のブレンデッドウイスキー「ティーチャーズハイランドクリーム」の原酒を確保するため、1898年に設立したモルトウイスキー専門の蒸溜所だ。つまり世界中で愛飲されるティーチャーズの豊かなコクや滑らかな深み、そしてスモーキーな香りは、ここアードモア蒸溜所のモルト原酒に由来するものである。シングルモルトのボトリングは限られていたため希少な存在であったが、ビームサントリー社の傘下となって安定供給が実現するとウイスキーファンの注目が集まるようになった。2014年にはそれまでのブランドを一新し、ヨーロッパ市場で確かな実力を証明している。

アードモアのラベルには、蒸溜所の守り神とされる銅色の鷲が描かれている。その背景には、ご当地ケネスモントの地図。この蒸溜所は、近隣のハイランドやスペイサイドの蒸溜所とは異なる独自路線を歩んできた。

アイラとは異なるスモーキーモルトの新機軸

アードモアのシングルモルトウイスキーは、ドライで爽やかなスモーキーフレーバーが印象的だ。その源は、もちろん製麦に使用されるピート（泥炭）である。

蒸溜所のマネージャーであるアリスター・ロングウェル氏によると、ピートはすべて蒸溜所から約65kmのセントファーガスで切り出された地元産のもの。アバディーン州のピートは海岸地帯のピートと異なり、ミズゴケを含まないのでアイラモルトなどのようなヨウ素や塩っぽさがない。その代わり、炭や燃えさしを思わせるドライなスモーク香を生み出すのである。