151号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

July 25, 2018

from Issue 151

テイスティング:ロブ・アランソン、サム・コイン


世界のウイスキー業界を代表する3人の評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ボウモア ナンバーワン    40.0%

  • 蒸溜所名: ボウモア蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • 価格帯: 26-70
  • 入手可能場所: 全世界

ロブ・アランソンSCORE8.9

香り
最初は香りが開くまでに時間がかかる。そしてやがて、あのお馴染みのアイラの香りが現れる。魚の燻製と、海水を浴びた温かな石。モルティングの煙が最高潮のときに、蒸溜所の屋外に立ち尽くしている気分。モルト香と正山小種茶。スイカとオレンジの甘い匂いもある。
ブラッドオレンジジュースの甘味と、香りでも感じた苦味の刺激。そしてあのスモーク風味が広がってくる。熱々のスモークサーモン。ローズマリーのようなハーブ風味と、ローストしたラム肉の脂身。
フィニッシュ
甘くてスモーキーな後味。
コメント
心地よく、親しみやすいアイラのウイスキー。とてもまろやかで重層的な風味がある。

サム・コインSCORE9.0

香り
とても甘いスモーク香に招き入れられ、やや海水の塩気を増してくる。魚の塩漬けとツナ缶が、美味しそうな料理を連想させる。
その美味しそうな風味が開いてくる。コダラのスモーク。その後でモルト風味、かすかなハチミツ、オート麦のビスケットのような味が追いかける。
フィニッシュ
スモーク香が消えていくに従い、最初はかなりモルト香が優勢だ。穏やかな土っぽい砂糖風味があり、その後でパリッと歯ごたえのある魚の皮。
コメント
感嘆すべきウイスキー。美味しい料理の風味から甘味へと移行し、また最初の味に戻ってくる。非常にバランスがよく、隠された風味が幾重にも折り重なっている。まるで2品コースのディナーのようだ。



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