171号　テイスティングコメント　【後半／全2回】

December 31, 2020

from Issue 171

テイスティング:ロブ・アランソン、ベッキー・パスキン

世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。

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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ（製造年）違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended（銀賞）もしくは Gold Editors Choice（金賞）が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

タムデューバッチストレングス No.005 59.8%

蒸溜所名: タムデュー蒸溜所
地域: ハイランド
価格帯: £71-120
入手可能場所: 全世界

ロブ・アランソンSCORE8.5

香り: ソフトな香り。攪乳されたばかりのバター、スコーン、クロテッドクリーム、果実含有量が多いイチゴジャム。時間をおくと、ますますフルーティになってゆく。
味: ふんだんなフルーツ風味は変わらない。ゴールデンシロップ漬けのリンゴ、チョコレートでコーティングされたレッドチェリー。かすかにハチミツ入りのフラップジャックや、クリーミーなバターたっぷりのビスケット風味が舞い戻ってくる。
フィニッシュ: フレッシュな香りがよみがえってくるような後味。じわじわと味わいが深まるタイプ。
コメント: アルコール度数の高さはうまく隠されている。果樹園のフルーツ香がとても旺盛なウイスキー。

ベッキー・パスキンSCORE8.8

香り: 加水しなければ、極めて控えめな香り。だがねっとりしたトフィーソース、アーモンドクロワッサン、シナモン、ショウガのシロップ漬けなどの印象もかすかに感じる。
味: リーゼン社のチョコレートキャンディを、さらに濃厚なトフィーソースに入れたような味わい。赤い果皮のフルーツ風味がリッチな印象を高め、モレロチェリーやカシスジュースを彷彿とさせる。リコリスのような土っぽい風味があり、それをトーストしたオーク材のドライな風味が支えている。
フィニッシュ: トフィーと糖蜜のタルト。タルトの表面には焦げがついている。
コメント: ずっしりと重量感のある味わい。まるで野獣のようなウイスキー。