171号　テイスティングコメント　【前半／全2回】

December 28, 2020

from Issue 171

テイスティング:ロブ・アランソン、ベッキー・パスキン

世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。

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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ（製造年）違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended（銀賞）もしくは Gold Editors Choice（金賞）が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ザ・マッカラン 15年ダブルカスク 15年 43.0%

蒸溜所名: マッカラン蒸溜所
地域: スペイサイド
価格帯: £71-120
入手可能場所: 全世界

ロブ・アランソンSCORE8.4

香り: ヒースの花のハチミツ、オートケーキ（チョコレート味）、サクサクのグラノーラと紅茶に漬けたレーズン、塩カラメルソース。
味: カラメルソースの風味が突き抜けてくる。スイス産のミルクチョコレート。やがて生のフルーツのような風味が現れる。イチゴ、アカフサスグリ、イチジク。
フィニッシュ: 少し後味が開くまで時間がかかるものの、ひとたび開くと余韻がいつまでも続く。
コメント: 心地よいウイスキー。口の中央付近で、甘味がずっと感じられる。ハチミツのような味わいが、素晴らしいソウルシンガーのようにメローな印象を残す。

ベッキー・パスキンSCORE9.4

香り: オイリーで好奇心をそそる香り。バナナチップ、イチジク、乾燥イチゴ、ブルーベリーレザーなどの濃厚なフルーツ香がある。ローストしたヘーゼルナッツや、トーストしたアーモンドフレーク。砂糖で艶を出したクリームキャラメルのくっきりとした匂い。
味: リッチでオイリーな口当たり。香り高いトップノートには、艶出し剤をかけたばかりの皮革製品の匂いが混じり合っている。それがゆっくりと土っぽいシェリー樽熟成由来の風味に変わり、赤ブドウ、古い赤ワイン、マラスキーノチェリー、ヘーゼルナッツなどを彷彿とさせる。
フィニッシュ: リッチでコショウのような刺激を感じさせる後味。かすかにタンニンの効いたシラーズや、乾燥イチジクの甘味などを感じさせてくれる。
コメント: 深みがあり、本当に美味しいウイスキー。ほとんど神がかりの領域。