173号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

March 18, 2021

from Issue 173

テイスティング:ロブ・アランソン、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

グレンゴイン 30年  30年  46.8%

  • 蒸溜所名: グレンゴイン蒸溜所
  • 地域: ハイランド
  • 価格帯: £181〜
  • 入手可能場所: 限定

ロブ・アランソンSCORE8.7

香り
相当な深みを感じさせる香り。たくさんのアロマが、波動のように突き抜けてくる。リッチなオリーブオイル、マヌカハニー、古風な苦味のあるマーマレード。時間が経つにつれてやわらかく変化し、ラムレーズン、ダークチョコレート、かすかな唐辛子のスパイスなどの印象を感じさせる。
口に含んでも深みがある。ブラックチェリージャム、シロップ漬けのプルーン、自家製クランベリーソースの酸味。香りで感じたスパイスもある。焼いた黒コショウに、バニラやシナモンの甘み。
フィニッシュ
じっくりと時間をかけて余韻を味わう。すべての甘みとスパイスが、舌の上にしがみつくようにして留まる。
コメント
壮大な魅力をたたえたウイスキー。じっくりと注意深く熟成を重ねた形跡が見て取れる。人生を振り返りながら味わいたい。

クリストファー・コーツSCORE8.8

香り
チェリー、キイチゴ、プラムワインの香り。メンソールやタラゴンのような繊細な薬草の匂い。皮革を思わせる感触があり、イラクサ茶やベルガモットの匂いもする。やがてセイロンティー、ココア、砂糖漬けにしたオレンジの皮などの香りも感じさせる。
パイプタバコと糖蜜の風味があり、砂糖漬けにしたオレンジやプラムの果肉を思わせる風味と拮抗している。香りで感じた複雑さが、そのまま強化された状態で味覚にも現れている。
フィニッシュ
余韻は長く、贅沢な感触がいつまでも続く。皮革のような印象とスパイシーなアロマが、鼻腔にまとわりつくような後味。
コメント
エレガントで、本質的な複雑さを備えたウイスキー。



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