176号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

November 9, 2021 | 0 Comments

from Issue 176

テイスティング:フィービー・カルバー、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

アムルット カダンハム    50.0%

  • 蒸溜所名: アムルット蒸溜所
  • 地域: インド
  • 価格帯: £121-180
  • 入手可能場所: コアレンジ

フィービー・カルバーSCORE8.8

香り
最初はかなり樹脂のような匂いが前面に出ている。やがて鉛筆削りのドライな匂いや、ココナッツフレーク、ライスプディングのバニラ香といった要素が顔を出す。砂糖で煮たフルーツとマニキュア除光液の匂いが拮抗しており、かすかなココアバター、ドライなショウガのスパイス、ハーブ香の特徴などを感じさせる。
タイムなどのドライなハーブ香や、もみの木、砂糖漬けのフルーツ、シガーボックスなどの風味がある。リッチなフルーツケーキの味がして、アーモンドオイルやほとんど革製品のような印象もある。あたたかなショウガの風味はかすかにドライで、同時に甘みも感じさせる。
フィニッシュ
余韻の長さはミディアム。あたたかさとハーブ香の余韻を残す。
コメント
本当に複雑な風味が統合されたウイスキー。

クリストファー・コーツSCORE8.5

香り
鉛筆の削り屑、オレンジスカッシュ、杉材のブロック、砂糖で煮たアンズのキャラメル香。レモンの皮のトップノートとハーブ(タイム)の香り。やわらかな黒糖の香りもふんだんにある。
口当たりは、ミディアムボディ。ふんだんな乾燥パイナップル、穏やかな紅茶のタンニン、そしてここでも砂糖の風味。口に含むとマスコバド糖に近い印象。ジューシーなパパイヤ、ショウガの砂糖漬け、唐辛子族の野菜、砂糖漬けのチェリー。加水すると甘味が強まる。
フィニッシュ
黒糖の風味が増して、フィニッシュを締めくくる。穏やかなタンニンがドライに後味を霧散させ、最後にタイムの戻り香を感じさせる。
コメント
さまざまな風味を鮮やかに表現してくれるインディアンシングルモルトウイスキー。



カテゴリ: 風味