193号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

October 2, 2023

from Issue 193

テイスティング:ベサニー・ワイマーク、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

アードベッグ ヘビーヴェーパー    46.0%

  • 蒸溜所名: アードベッグ蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • 価格帯: £71-120
  • 入手可能場所: 全世界

ベサニー・ワイマークSCORE8.3

香り
土とピートの匂いがして、芝生を掘り起こしたような印象。トップノートに薬っぽさがある。かすかに麦芽ミルクのお菓子とバニラシロップ。果樹園のフルーツとわずかな蜜蝋の匂い。かすかに石油を思わせる繊細な香り。
口当たりは、ライトボディからミディアムボディ。土っぽいピートの風味が支配的で、バーベキューの残り火がくすぶっているような印象。アンズやモモのジャム。よく焼いた卵っぽいパン。使用後のコーヒー粉。
フィニッシュ
余韻の長さは、ミディアムから長め。ピート香が続き、わずかに蝋のような花の香りも残る。
コメント
さまざまな表情のピート香が楽しめるウイスキー。

クリストファー・コーツSCORE8.5

香り
ウッディなスモーク香、焼いたフェンネル、ペアドロップキャンディ、輪ゴム、ユーカリ、小麦粉などの匂い。白い花の香りと心地よいプールの匂い。その底には、バニラクッキーや柑橘類の皮を思わせる香り。
口当たりは、ミディアムボディからライトボディ。それでもウッディなスモーク風味が詰まっている。さらにフェンネル、アロエベラ、緑茶ドリンク、かすかなジャスミン、甘いバニラクリームなどを感じさせる味わい。
フィニッシュ
余韻は長い。砂糖煮したリンゴと洋ナシや、ほのかなキャラメルの後味。葉巻の煙を思わせるスモーク香が残る。
コメント
名高いアイラ島の素晴らしさが、1本のウイスキーに凝縮されたような趣きがある。



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