「竹鶴」80周年の新展開

March 13, 2014

ニッカウヰスキー創業80周年、竹鶴政孝氏の生誕120周年となる本年、「竹鶴」ブランドが大きく動き出す。

3月7日、アサヒビール株式会社による「竹鶴」ブランドの新戦略発表会が行われた。ニッカウヰスキー創業80周年という節目の年にあたり、同社ならではの提案を強化、国内のみならず世界での価値向上を目指すという基本方針だ。

その第一弾として注目したいのが「竹鶴MUSEUM BAR」だ。
竹鶴ブランド初のオフィシャルバーを、4月29日(火)~5月18日(日)の期間限定で六本木ヒルズ内「ヒルズカフェ/スペース」に展開する。店内は「竹鶴政孝ゾーン」と「竹鶴ピュアモルトゾーン」の2つのゾーンで構成される。
「竹鶴政孝ゾーン」は竹鶴氏ゆかりの品々を展示するミュージアムとなり、「竹鶴ピュアモルトゾーン」は「竹鶴」ブランドの様々な飲み方を体感できるバー。竹鶴氏のチャレンジスピリットやウイスキーにかけた夢や情熱を感じられるスペースになるとのことで、ニッカファンは必見だ。
この「竹鶴MUSEUM BAR」はニッカ社が所有する蒸溜所のある北海道、宮城県でも展開予定とのことで、より竹鶴氏の想いを身近に感じられるスペースとなること請け合いだ。

こちらのオフィシャルバーと連動して、消費者キャンペーン「竹鶴“ウイスキーの夢”プレゼント」キャンペーンを4月30日(水)から6月30日(月)の期間で実施
「竹鶴政孝の夢をたどる スコットランドの旅」と題した、竹鶴氏のウイスキーづくりや、リタさんとのゆかりの地を巡るオリジナルツアーに参加できるというもの。大正時代に大きな夢を抱いて単身スコットランドへ乗り込んだ竹鶴氏の足跡をたどる、非常に興味深い旅になりそうだ。
Wチャンスとして、抽選で1,000名に「竹鶴ピュアモルト700ml」とオリジナル「竹鶴ロックグラス」が当たるので、ぜひチャレンジしてみよう。

さらに、このキャンペーン初日である4月30日、限定ボトルも発売される。「竹鶴21年ピュアモルト  ポートウッドフィニッシュ」国内市場向けに、約1,000本発売、さらに7月2日から「竹鶴21年 マディラウッドフィニッシュ」欧州市場向けに約500本発売する。「80th Anniversary Bottled in 2014」と記載されたラベルで限定感がさらにアップしている。
チーフブレンダーの佐久間氏によると、原酒はスタンダードの「竹鶴21年」をベースとしているが、ノンチルフィルタード、かつ度数も46%とやや高いため、若干ブレンディングを変えているそうだ。ブレンディングした原酒をそれぞれの樽に入れて追加熟成させ、タイミングを計りながらボトリングを決定したとのこと。

この貴重な両ボトルをテイスティングさせていただいた。

「ポートウッドフィニッシュ」はビターチョコレートのような深みのある香り。ベリー系のフルーツ感とビスケットの香ばしさ。かすかにシャープな甘酸っぱさをアクセントに、モルティーさと洋ナシのコンポート、カシス、ナッツなどのフレーバーが複雑に絡み合う。
「マディラウッドフィニッシュ」はとろりとした濃厚なコクが際立つ。マロンクリームの甘さにマディラ由来のほのかな苦味。ウィンナーコーヒー、暗くしっとりした貯蔵庫、メープルシロップ。まろやかであたたかいフィニッシュが長く続く。

本数に限りがあるのが残念ではあるが、どちらも非常に魅力的で80周年を記念するにふさわしい仕上がり。今年は他にも限定商品が登場するとのことで、こちらも楽しみだ。

「竹鶴ピュアモルト」――秋のNHKの連続ドラマを大きな弾みにして、より広い層にウイスキーの魅力を浸透させてくれるだろう。「余市」と「宮城峡」、2つの蒸溜所の原酒だけでこれほど複雑なブレンデッドモルトをつくり上げるブレンディング技術、ジャパニーズウイスキーの奥深さ。「竹鶴」ブランドは、創業当時の想いをそのままに進化を続けるニッカ社のウイスキーづくりの精神そのものではないだろうか。
これまでも世界で高く評価されているが、本年のWWA(ワールド・ウイスキーアワード)にも日本代表として世界審査に進出しており、さらにそのクオリティーに注目が集まっている。最終結果は今月21日(日本時間)発表。「竹鶴イヤー」に花を添えることができるだろうか? 乞うご期待である。

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