ホテルバーの愉楽 ANAインターコンチネンタルホテル東京
メインバー「ダビンチ」
都会の喧騒を忘れさせる、しっとりとした大人の空間。ANAインターコンチネンタルホテル東京のメインバー「ダビンチ」には、300種以上の銘酒と心あたたまるサービスがある。生演奏のジャズに耳を傾けながら、ここでしか味わえないウイスキーやシガーを楽しんでみよう。
文:WMJ
写真:大河内 禎
店内に足を踏み入れた瞬間から、ロビーのざわめきは嘘のように遠ざかる。レオナルド・ダ・ヴィンチの自画像が出迎え、15世紀イタリアンルネッサンス調のインテリアが時間旅行へと誘う。一段高い板張りの床と、腰を下ろすだけで気分が安らぐローチェアー。ホテルのメインバーとしては広い部類に入るであろう。優雅に動きまわる女性スタッフが静かな華やぎを添えている。
1986年、ANAインターコンチネンタルホテル東京の開業とともにオープンしたメインバー「ダビンチ」。開店以来30年近く通い詰める常連客もいる有名店である。立地が赤坂ということもあり、近隣で働くビジネスマンの利用も多い。人気のお酒は、ずばりウイスキーであるとチーフの清水勉さんが語る。
「長年のお客様の多くは、いつも決まった高級ブレンデッドウイスキーを楽しまれます。シングルモルト目当てでいらっしゃるお客様や、ソーダ割りでウイスキーを楽しむ女性の方も近年は増えました」
水割り用に好みのメーカーの水を指定する客もいれば、決まったグラスでしか酒を飲まない客もいる。常連客たちが何もいわなくともオーダーメイドのサービスを受けられるのは、やはりここが日本屈指のホテルバーであるからだ。サービスへの期待値は極めて高く、それに応えるスタッフの力量にも驚かされる。
特別なウイスキーと気取らないサービス
「ウイスキーアワードで受賞したジャパニーズウイスキーの銘柄をよくご存じで、一般の日本人より知識が豊富な方も珍しくありません。先日は竹鶴35年をボトルごとご購入された海外からのお客様もいらっしゃいました」
カウンターの背後にあるキャビネットには、大量のキープボトルがストックされている。これまでのオーナーの数を表すボトル番号は1,350を少し超えたところ。このバーに籍を持つ喜びはもちろん、ホテル内のレストランや他のバーにもボトルを届けてもらえるサービスが嬉しい。
ここ「ダビンチ」でボトルをキープするなら、とっておきのおすすめがある。それは、1798年に創業したスコットランド最古の蒸留所のひとつ「ブレアソール」。「ダビンチ」のオリジナルラベルをあしらった限定100本のボトルは、このバーだけの特別なウイスキーである。23年熟成で瓶詰めされ、甘い焼き菓子のような香りが魅力の逸品だ。
オリジナルボトルの他にも、話題のウイスキーが月替わりで紹介されている。10月と11月は、失われた蒸溜所のリバイバルがテーマ。アイラ島で100年以上前に閉鎖された幻の蒸留所の味わいを、資料に従って再現した「ロシット」が特別価格で提供される。
オールドファンなら、「ダビンチ」と聞いてシガーを連想する人も多いだろう。大ぶりなヒュミドールは、このバーのために2つのヒュミドールを組み合わせた特別な保管庫である。まだシガーの販売店が少なかった10年前は、バーでありながら都内屈指のシガーの売上げを誇っていたという。現在もキューバ産の人気銘柄を始めとする高級シガーを20種類ほど常備している。
ピアノとウッドベースのデュオによるジャズ演奏も本格的だ。カバーチャージはないが、リクエストは受け付けてくれる。
「サントリーホールのコンサート帰りに立ち寄られるお客様もいらっしゃいますので、演奏のクオリティにも気を配っています。お客様の要求はあらゆる面で高く、そのおかげで私たちもサービスの水準を維持できていることに感謝しています」
一流店なのに、気取りのないあたたかなサービスが「ダビンチ」の魅力である。秋の夜長を大切な人とゆったり過ごすなら、こんなホテルバーがうってつけだ。
メインバー 「ダビンチ」
場所:ANAインターコンチネンタルホテル東京 3階
住所:東京都港区赤坂1-12-33
営業時間:17:00~24:00
定休日:日曜日(祝祭日についてはお問い合わせください。)
席数:58席(禁煙席なし)
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