「グレンフィディック オリジナル」限定新発売

May 28, 2015

世界No.1の販売数量を誇るシングルモルトスコッチである「グレンフィディック」。世界進出を開始した1963年当時の味わい・パッケージを再現した限定品が6月9日発売となる。

独特な三角形のボトル、世界初のシングルモルトスコッチとして知られている「グレンフィディック」は、ウイスキー業界の偉人として名高いウィリアム・グラントが1887年に操業したスペイサイド、ダフタウンの蒸溜所だ。
グラントはそれまで同じくダフタウンのモートラック蒸溜所で20年ウイスキーづくりに携わっていたが、ようやく念願の自身の蒸溜所を創り上げた。
蒸溜所の名はゲール語で「鹿(FIDDICH)のいる谷(GLEN)」。鹿たちが悠々と駆け巡るフィディック川の谷間で、その歴史は幕を開けた。

最初は資金も十分になく、家族総出で建築し、スチルも近隣の蒸溜所からの払い下げだったという。今でもその家族で積み上げた石積みの建物が使用されている。
この当時の創業者精神が続き、ウィリアム・グラント&サンズ社としてスコットランド最大のウイスキーメーカーとなった今も「家族経営」というスタンスを貫いている。
最初のスピリッツが流れ落ちたのは創業年である1887年のクリスマスの朝。家族の喜びは如何ばかりだっただろう。

グラント家の地道な努力は着実に実を結び、5年後には隣にバルヴェニー蒸溜所を設立するに至った。当初はブレンド会社に原酒を卸すことが主流だったが、1898年にブレンド会社が倒産。これを機にウィリアムは自らのブレンデッドウイスキー「グランツ」をつくり出す。これが好評を博し、グラント家のウイスキー界での地盤は揺るぎないものとなった。
1957年には現在の三角形のボトルが誕生。前例のないシェイプのボトルは、最初は異端とみられたが、グラント家の読みは当たり、他ブランドとの差別化に成功した。

そしてついに1963年、世界市場で初めてシングルモルトとして「グレンフィディック」を発売。
もともと「スコットランドの地酒」として癖が強く飲みづらいとされてきたモルトウイスキーは、ブレンディングによって広く愛されるようになっていた背景がある。三角ボトルに続くグラント家の独創的な発想に、ウイスキー業界は驚かされた。当然、売れないものと思われていたのである。

しかしその豊かなアロマとしっかりとした味わいに、「シングルモルト(当時はストレートモルトと表記)」…単一蒸溜所でつくられたモルトウイスキーは世界の愛飲家に喜んで迎えられた。そして現在、シングルモルトは個性豊かで魅力的なウイスキーとして、ウイスキー人気の中核を成すほどになったのである。
現在では同蒸溜所は28基のスチル(スコットランド最多)を保有する蒸溜所となり、躍進を続けている。

今回限定発売される「グレンフィディック オリジナル」は、その1963年当時のモルトマスターであるハミッシュ・ロバートソンのレシピを、現6代目モルトマスターのブライアン・キンズマン氏が忠実に再現。
ヨーロピアンオーク・シェリー樽原酒の香味を生かした、洋梨のような香りと華やかで複雑な香りが楽しめる、フルーティな味わいが特長となっている。

ラベルは白とゴールドを基調として、赤でブランド名が記されている。現在の黒ベースのラベルに比べるとクラシックな印象だが、親しみやすくもある。
ボトル中央にはグラント家の紋章が入り、“STAND FAST(頑なに信念を貫く)”という家訓も刻まれている。
1963年以来、シングルモルトのみならずスコッチウイスキー界のパイオニアとして、また世界No.1の販売量で業界を牽引するリーダー的存在として君臨する誇りをも体現しているようだ。

グラント家が創業当時から掲げる信念とシングルモルトのルーツを体感できる「グレンフィディック オリジナル」。
数量限定ではあるが、機会があればぜひお試しいただきたい。温故知新―きっと新しい発見があるだろう。

商品名

グレンフィディック オリジナル

発売地域

全国 (数量限定)

発売日

2015年6月9日(火)

容量

700ml

アルコール分

40.00%

希望小売価格(税別)

12,000円

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