アイコンズ・オブ・ウイスキー2013発表 【前半/全2回】

July 6, 2013

 

今年で第11回目を迎えた「アイコンズ・オブ・ウイスキー」(IOW)は、本誌発行元である英国パラグラフ・パブリッシング社が毎年開催する世界的なコンテストである。2013年の結果を2回に分けてお届けする。

ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)がウイスキーそのものを評価するのに対し、IOWは世界のウイスキー業界に著しい貢献を果たしたメーカー、蒸溜所、人物、小売店などを表彰するために設立されたものである。
各9部門の審査は、業界内より提出された膨大なノミネートから中立的な審査員が上位の入賞者を選定し、最終的な投票によって受賞者が決定される。本年は新カテゴリー「ディスティラリーマネージャー」「ビジターセンターマネージャー」を設定。どちらも非常に素晴らしい人選であり、価値ある賞となった。
数ヶ月に及ぶ議論、吟味、投票の末に選ばれた、栄えある今年の「アイコン」たちを紹介しよう。

ウイスキーディスティラー・オブ・ザ・イヤー
アイリッシュディスティラーズ(ペルノリカール・アイルランド)

同社はアイリッシュウイスキー業界を常に牽引し、ミドルトン蒸溜所においては昨年5月より100万ユーロの投資をして拡張を行った(コーク州ダンガーニーに熟成施設を増強)。これが完了すれば2倍の増産が可能となる予定。
ミドルトン蒸溜所のシングルポットスチルウイスキーも、2012年に2種類の新商品を発表し、アイリッシュポットスチルウイスキーの再興に一役買った。そしてフラッグシップアイテムの「ジェムソン」は世界中でナンバーワン・アイリッシュウイスキーの座をゆるぎなく保ち続けている。

 入賞
モリソン・ボウモア社 (スコットランド)
フォアローゼズ蒸溜所 (アメリカ)
コルセア蒸溜所 (アメリカ)


 

ウイスキーディスティラリーマネージャー・オブ・ザ・イヤー
エディ・マカフィー(ボウモア蒸溜所)

40年以上のキャリアを備え、エディは見事にボウモアの舵取りをしてきた。蒸溜所の全てのナットとボルトを知り尽くし、彼の蒸溜所に対する誇りと情熱は確固たるものである。
蒸溜所の全てのエリアで働き続け、蒸溜所マネージャーでありながら、ヘッドモルトマンでありヘッドディスティラーでもある。
エディの監修のもとつくり上げられたウイスキーはどれも感銘を覚えるほどの出来栄えである。

入賞
ジョン・マクレラン(キルホーマン蒸溜所)
グレッグ・デイビス(メーカーズマーク蒸溜所)


 

ウイスキーヴィジターセンターマネージャー・オブ・ザ・イヤー
ジャッキー・トンプソン(アードベッグ蒸溜所)

ジャッキーは家の暖炉の火を絶やさない炎の番人のようであり、アードベッグの門をくぐる全ての見学者に最高の経験をさせてくれる。
あるときは見学ツアーをアテンドしあるときはテイスティングを勧め、ショップのレジでお釣りを手渡していたかと思えば、レストランで忙しく動き回っている。
蒸溜所を訪れた人たちは皆彼女のアードベッグへの情熱と豊かなホスピタリティに触れることだろう。

入賞
リン・グラント(ヘブンヒル蒸溜所)


 

ウイスキーアンバサダー・オブ・ザ・イヤー
イアン・マッカラム(モリソン・ボウモア社)

究極の技術的知識とウイスキーを様々な角度から見る稀有な情熱をミックスさせたブランドアンバサダーとして、研究所を離れての新たな任務が見事に花開いている。
イアンは1992年よりモリソン・ボウモア社に技術研究員として入社。その後蒸溜所マネージャーとしてトレーニングを受けた。2000年にシニアブレンダーとして研究所に戻る。2011年4月からブランドアンバサダーとして、モリソン・ボウモア社のメッセージと彼のウイスキーへの愛を世界中に広めている。

入賞
アンジェラ・フォースグレン・ドラージオ(マクミラ蒸溜所)
デイヴィッド・ブラックモア(グレンモーレンジィ・USA)
ゲーブル・エレンツォ(タティルタウン蒸溜所)

後半に続く

      

 

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