ウイスキークッキング・14【フィンガーフード 後半/全2回】

June 22, 2015

今回も、ウイスキーとフードのペアリングを提案。ほんのひと手間でいつものウイスキーにも深みを与えられる、フィンガーフードのレシピとアレンジのコツをご紹介しよう。

【←前半】

ウイスキーと合わせるフィンガーフードには、ちょっとした工夫が必要だ。と言っても、食材とウイスキーのフレーバーの橋渡しになるようなアクセントを加える…それだけのことだ。
これまでも本誌では様々なペアリングを提案しているが、料理に加えるだけでぐっと「それらしく」仕上がるのはフルーツのフレーバーだ。特に、合わせるウイスキーに感じられる(個人的な感想でも良いし、本誌のテイスティングコメントを参考にしていただいても良いだろう) フルーツの甘み、苦味、酸味などをピックアップするのだ。

オレンジ、リンゴ、プルーン、ベリー、パイナップル、アプリコット、イチゴ、バナナ… ちょっと思いつくだけでも、これだけのフレーバーがある。これを例えばチーズとクラッカーのカナッペに加えてみる。生のフルーツのスライスでも良いし、ジャムやコンポートなどの加工品でも良い。
さらにひねりを加えるのであれば、もうひとつウイスキーのフレーバーから「調味料」をピックアップする。コショウ、蜂蜜、ショウガ、シナモン、メープルシロップ… それらをほんの少し振りかけてみよう。あとはもう説明は不要! ゆっくりと好みのウイスキーを楽しむだけだ。

では、ウイスキーにあるフレーバーを全て引き出してみたら…?
こんなフィンガーフードを試してみてはいかがだろう。

デビルズ・オン・ホースバック  ブラックブル40年とともに

このレシピはシェリー樽熟成ウイスキーとよく合う。ウイスキーに合わせて、マーマレードを別のジャムやフルーツソース、コンポートなどに変えてもいいだろう。
ブラックベリージャムを加えるとグレンフィディック15年」に合うし、リンゴのプレザーブと燻製していないベーコンであればグリーンスポット」に向くだろう。アプリコットもプルーンの代わりとして面白く、グレンモーレンジィ ネクタドール」や「ティーリング 21年」のような白ワイン仕上げのウイスキーによく合う。
あるいは、燻製していないか蜂蜜漬けのベーコンを使うと、グレンゴイン12年」のような繊細なウイスキーとペアリングできる。

レシピ:
プルーン 8個(種を抜いておく)
スモークドベーコンスライス 4枚
セビリアオレンジのマーマレード 大さじ1(好みで)

手順
1.室温の水にプルーンを30分ほど漬ける。
(好みでウイスキーに漬け込んでも。)
2.オーブンを180℃に温める。
3.ベーコンを半分に切る。
4.プルーンの中にマーマレードを詰め、ベーコンで巻き、楊枝で留める。
5.トレイに4を並べ、12分ほど焼く。

次にお客を招くときには、こんなフィンガーフードとウイスキーを用意してはどうだろう? 普段はワインやビールから飲み始めるという人も、ウイスキーにぴったりのちょっとしたアペリティフと一緒であれば、ハードリカーで夜を始めることもできるだろう。ぜひお試しあれ。

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