NHK連続テレビ小説「マッサン」

September 19, 2014

9/29よりいよいよ放送開始となる「マッサン」。放送開始直前に見どころをご紹介する。

日本のウイスキーの歴史を切り開いた、竹鶴政孝氏リタさんをモデルとしたストーリーが連続テレビ小説として放送されると決定してから、ウイスキーファンは放送を心待ちにされていることと思う。

まず誤解のないよう皆さんにお伝えしたいのが、竹鶴夫妻をモデルとしてはいるが、ドラマ自体はあくまでフィクションとして再構成しており、実在の人物そのものを描く訳ではないということだ。
事実と違う!とお思いにならないよう… ご存じのとおり連続テレビ小説は涙あり笑いありのエンターテイメント。ひとつの物語としてお楽しみいただければと思う。

改めてストーリーをご紹介しよう。
明治から大正へ移り変わる激動の時代…海外からの文化が続々と流れ込み、新しい日本が花開きつつある大阪が舞台だ。
当初は高嶺の花であった洋酒も、徐々に国内での生産も始まり、庶民の口に入るようになってきた。しかしウイスキーに関しては、莫大な費用と時間がかかるため、日本での生産は不可能と言われていたのである。

そこで主人公・亀山 政春(マッサン)は住吉酒造社長の支援を受け、ウイスキーづくりの技術を学ぶため単身スコットランドへ乗り込む。
厳しい2年の修行、そのなかで運命的な出会いをしたエリーと結婚し、ともに帰国するが、広島で造り酒屋を営む実家は結婚にもウイスキーづくりにも猛反対。さらに住吉酒造のウイスキー事業も頓挫し、帰国早々窮地に立たされる…。

ウイスキーをつくりたいのにつくれない『夢に生きる不器用な日本男児』と日本人になろうとするがなれない『気品溢れるスコットランド人の妻』…竹鶴氏とリタさんの半生をモデルに、不器用な夫が最愛の妻と育んだ「夫婦の時間」と夢に生きた「日本人の情熱」を描いた、連続テレビ小説らしい涙と笑いに溢れるストーリー展開となっている。
そして国際結婚など殆ど例の無かった時代に日本に降り立ったヒロインの眼差しが、日本人の美徳を見出し、厳しい時代を生き抜いた「日本人の底力」を豊かに描き出す。

ウイスキーを通して生まれた豊かなストーリー… これはウイスキーファンでなくとも魅了されるであろうし、ウイスキーが好きな方ならますます先人の苦労に心を打たれることだろう。

そしてドラマの再現ではあるが、日本初のウイスキーづくりという大事業の過程を見守ることができるというのは大変に興味深いのではないだろうか。マッサンやエリーとともに、手さぐりでのウイスキーづくりに関わっているような気持ちになれるはずだ。
撮影が行われた余市の風景や蒸溜所の内観もじっくりと楽しみたい。

脚本を担当した羽原大介氏は制作発表時に、
「はるかスコットランドの地で日本男児と恋に落ち、家族の大反対を押し切って海を渡り、夫の夢を陰に日向に支えながら、懸命に『大和撫子』になろうと頑張ったリタさん。『やがて日本にも必ずウイスキーの時代が来る』と本場に負けない国産ウイスキーをつくる夢を追い続けた政孝さん。記録と取材に基づいたエピソードを重ねつつ、大胆なフィクションも交え、笑って泣けるエンターテイメントを紡いでいきたい。『国境を越えた壮大な愛の物語』にどうぞご期待ください」と語っている。

主題歌は中島みゆきさんによる「麦の歌」。バグパイプとスネアドラムの響き、力強いメロディがスコットランドと日本の雰囲気を見事にブレンディングしている。半年間、日本の朝を元気づけるテーマソングとなることは間違いない。

放送まであと10日。23日には予告番組も放送されるとのことなので、ぜひこちらもお見逃しなく。
番組の詳細はこちらから

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