世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


余市 1991 カスクNo.1295041991    64.0%

  • 蒸溜所名: 余市蒸溜所
  • 地域: 日本
  • 価格帯: £41-70
  • 入手可能場所: 日本
  • 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 56号

マルティーヌSCORE8.25

香り
花のよう。エステルっぽい。異国の果物。マンゴー、パイナップル。ベチベルソウの残響。誘惑的なブーケ。
食欲をそそる、あっさりした甘さをともない、それは、ひと吹きの塩からいフェノールと風味のある果物を引き出す。度数の高いアルコールがとてもよくコントロールされている。スパイシーな切れ味。ほのかにシナモンと生姜。
フィニッシュ
長いくスパイシーな触感。後味はスモーキー。
コメント
これも戸外用のウイスキー、エステルのような上品さとフェノールのような鋭さが一体化している。アルコールの強さは水で調整する必要がある。

デイヴSCORE8.5

香り
あの異国的なヒメウイキョウ、ベチベルソウとユーカリのアロマ、ほのかにお香とアセトンをともなう。秋の果物と少しの肉っぽさもある。
非常に芳しく強烈。白檀、柑橘油、保存されたミカン、芳しいハーブ、ライト・スモーク。非常にアロマティック、バランスがよく、実に気品がある。
フィニッシュ
マラスキーノ、ハーブとスモーク。
コメント
ちょっと異常なところがあるけれども本当に画期的なウイスキーだ。素晴らしく好ましい。

余市 12年 「ピーティ・アンド・ソルティ」  12年  55.0%

  • 蒸溜所名: 余市蒸溜所
  • 地域: 日本
  • 価格帯: £41-70
  • 入手可能場所: 日本
  • 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 56号

マルティーヌSCORE8

香り
ェノールっぽく、フルーティ。デメララ、ほのかに糖蜜。トーストにのせたキッパー。オゾンのよう。麦芽の甘さ。
濃厚、シロップ、甘くてオイリー。甘酸っぱい、甘草。スパイスが広がる。ジャリジャリして麦芽っぽい。
フィニッシュ
ドライ、フルーティ、スパイシー。
コメント
果物とピートの興味深い組み合わせ。両者が混ざらないで、かくれんぼを続ける。見た目よりももっと複雑。水が和らげる。

デイヴSCORE8.25

香り
最初は甘く、たくさんのアメリカン・オーク(バニラ、クリーム)をともない、次に缶詰のアプリコットがくる、バター・スコーンに似た何か。
香りから想像するよりもはるかに非常にスモーキー。爆発的なピートの攻撃が刺激的な花の特徴で覆われる。タールと果樹の花。オイリーだが甘い、濃厚、芳しい。
フィニッシュ
ヨード。黒いブドウ。
コメント
オークがグリップをもたらしているが、全体が素晴らしいバランスを保つ。見事だ。

余市 12年 「ウッディ・アンド・ヴァニリック」  12年  55.0%

  • 蒸溜所名: 余市蒸溜所
  • 地域: 日本
  • 価格帯: £41-70
  • 入手可能場所: 日本
  • 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 56号

マルティーヌSCORE7.25

香り
抑制されている。フルーティ。リンゴと洋ナシのパイ。リンゴ酒の貯蔵庫。ゆっくりバニラが現れる、甘い特徴を引き出す。かすかに床磨き剤。
甘く、中間は驚くほど水っぽい。ただし、オークと果物がよくまとまっている。夏の果物。バニラ・ビスケット。埃っぽい。
フィニッシュ
ドライ、スパイシー、埃っぽい。
コメント
疲れているように見えるソフトで滑らかなウイスキー。とくに興奮を覚えるものではない。

デイヴSCORE9

香り
これもスモーク、今度は塩の特徴とプレーン・オーク(アーモンド、松)の特徴をともなう。この背後に本当の重さもある。複雑な芳香がくどい香りの花と混ざっている、ソフト/半生のドライ・フルーツとかすかなココアをともなう。
見事な広がりをもつフレーバー:調理したリンゴ、新鮮なアプリコット、炒ったナッツ、マドレーヌ、くすぐったいスモーク、ワックスのような深み。
フィニッシュ
バニラの莢の燻製。
コメント
完璧で欠点がない、甘い、ドライ、深い、ライト、スモーク、花、クリーム、焦がしたオーク。エレガント。

富士山麓 18年  18年  43.0%

  • 蒸溜所名: 富士御殿場蒸溜所
  • 地域: 日本
  • 価格帯: £71 plus
  • 入手可能場所: 日本
  • 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 56号

マルティーヌSCORE7.75

香り
強烈。甘く酸っぱい。フルーティ。リンゴと洋ナシの酒。バニラ・トフィが次第に現れる。かすかにチキン・ブイヨン。
甘いスタート、次にオークが前面に出てくる、ただし、優雅に。甘さと酸っぱさのバランスがよい。フルーツを保つ。遠くにピートの残響。
フィニッシュ
バランスが良い、やや短いがすっきりしている。
コメント
甘いリンゴ酒よりも酸味のあるリンゴ酒が好きな人向け。ウイスキー・ベースの冷たい飲み物をつくると面白い組み合わせになる。爽やかな食前酒。

デイヴSCORE8.25

香り
軽く油を塗った柔らかい皮、古いモモ、松の樹液、セイヨウイチイ。加水すると、すごい柑橘系のオイルが高揚する。松、ニワトコの花、ハチの巣、ライムの花、エステルのよう、芳香がする。
繊細さと複雑さの両方を感じさせつつ舌全体に味を漂わせる。蜂蜜の巣(甘さとワックス)。美味しい触感。
フィニッシュ
すっきりした中ぐらいの長さ、美味しい甘さ。
コメント
これもまたライトな個性を持つジャパニーズの逸品。

山崎 18年  18年  43.0%

  • 蒸溜所名: 山崎蒸溜所
  • 地域: 日本
  • 価格帯: £71 plus
  • 入手可能場所: 日本
  • 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 56号

マルティーヌSCORE8

香り
麦芽っぽい、花のような特徴(草地の花)をともなう。こんがり焼いたオートミール。かすかに塩からいバター。いいタイミングで濃厚なアロマが展開する。トフィ、甘草。アップル・フラン。
甘く滑らか。シロップで茹でた洋ナシ。エステルのよう。オークが堅く、ドライでグリッピーなベールで果物を包み、スパイスを放つ。
フィニッシュ
長い、ドライ、スパイシー。
コメント
驚くことに、水がオークっぽいフレーバーを和らげ、麦芽っぽい甘さをさらに引き出す。きわめて自分勝手なウイスキー。

デイヴSCORE8.25

香り
濃厚でやや甘いがバランスのとれたオークっぽさをともなう。森の散歩、つまりリンゴとスミレ、暑い夏の古い丸太小屋。
香りよりもあっさりしているが、このウイスキーが気品を持っていることを感じさせる。葉のよう、ほとんど苔のよう。松林、再びスミレ、そして、埃まみれの根の特徴、しかし、深みと複雑さを加味するのに十分な甘さがある。
フィニッシュ
申し分のない長さ。ザクロ。
コメント
実に質が飛躍的に向上していて、見事な出来栄えを示している。

軽井沢 ビンテージ19881988    59.3%

  • 蒸溜所名: 軽井沢蒸留所
  • 地域: 日本
  • 価格帯: £41-70
  • 入手可能場所: 日本
  • 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 56号

マルティーヌSCORE7.25

香り
初めはアルコールっぽい、やがてバニラが荒々しいエッジをスムーズにする。シェリーが現れる。プラム・ジャム、イチジクの糖蜜。オークが非常にはっきりした香りを放つ。
絶対シェリーだ。チョコレート、ドライ・フルーツ。ドライな苦さが広がる。水が保湿ローションを取り去るが、砂糖が多くなりすぎる。
フィニッシュ
ドライ、オークっぽい、保湿ローション。
コメント
シェリーが蒸溜所の特徴を隠す。それが大好きなファンなら結構。加水するといやな甘さが出るのは疑問だ。

デイヴSCORE8.75

香り
異国情緒的。気の抜けたコーラ、濡れた竹、生垣の木、酸っぱいブラック・チェリーがココナツ、チョコレート、熟していないイチジクと混ざっている。加水するとユーカリのよう。
本物の熟成、複雑さ、バランスを表す。舌にまとわりつき、フレーバーと十分な重みの層をともなう。今のところ一番オイリー。
フィニッシュ
長い、爽やかな酸っぱさのグリップ。
コメント
見事な屋台骨があり、多くの特徴に忍び込みそうな苦いエッジを完全にまとめることに成功している。

イチローズモルト ビンテージ19881988    56.0%

  • 蒸溜所名: 羽生蒸溜所
  • 地域: 日本
  • 価格帯: £41-70
  • 入手可能場所: 日本
  • 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 56号

マルティーヌSCORE7.75

香り
海とフェノール。波に洗われた小石。わずかにクレオソート。甘いシリアル。クリーム・カラメル。
絶対に海洋性のもの。魚の燻製と少しの油っぽさ。ピリッとくるスパイシーな触感。黒胡椒。
フィニッシュ
ドライ、スモーキー。やや煤っぽい。かすかにタール。
コメント
刺激的な特徴。暖かいフェノールが、断固として、しかし、心地よいシリアルに甘さを隠している。ただし、アルコールの強さは少し強烈だ。水によって和らぐが、シャープなエッジのすべては失われない。

デイヴSCORE8.5

香り
強烈で活発なアロマがぎっしり詰まっている:バニラの莢、レモンの皮、ホワイト・チョコレート。チベットのソルト・チョコレートやブラック・オリーブのタペナードのような奇妙な異国情緒がある。軽いスモークがアロマのこのパターンに別の感触を加える。
強烈さと特徴に十分な幅がある、少しスモークをともなう。加水する必要がある。
フィニッシュ
タールを塗ったロープ。素晴らしい長さ。
コメント
驚くほどの厳密さを持つ、ライトでピュアな日本のウイスキー・スタイルを象徴するもうひとつのウイスキー。

MWVH ノース・オブ・スコットランド シングルグレーンウイスキー    53.3%

  • 地域: スコットランド
  • ブランド: ノース・オブ・スコットランド
  • 価格帯: £26-40
  • 入手可能場所: 非常に限られている。イングランドとアイルランド
  • 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 56号

デイヴSCORE8.25

香り
甘く、みずみずしい。バナナ・スプリット、ミルク・シェーク。ホワイト・チョコレート、ココナツ・クリーム、ヨーグルト、柔らかい果物。カラメルとココア・バターに変化する。
舌にまとわりつき、甘さに対抗するスパイシーさ。シナモンとクリーム、胡椒とトフィ。こってりして、パワフルで複雑なグリップをともなう。
フィニッシュ
喉の奥に流れる落ちるトフィ。
コメント
バランスが良い、全く、どこからどこまでもセクシーだ。おまけに実に珍しい。

アーサーSCORE7.75

香り
マニキュア液、チョコレート・パウダー、バーボン。ドライ・フラワー、ポップコーン、埃っぽい屋根裏部屋。
刺激的なグレーン・ウイスキーがまたひとつ。これまでテイスティングしたことのある他のものほど強いバニラの特徴がない。
フィニッシュ
短い、すっきりしている。
コメント
刺激的なグレーン・ウイスキーがまたひとつ。これまでテイスティングしたことのある他のものほど強いバニラの特徴がない。

レアモルト ミルバーン19691969  35年  51.2%

  • 蒸溜所名: ミルバーン蒸溜所
  • 地域: ハイランド
  • 価格帯: £71 plus
  • 入手可能場所: 非常に限定されている
  • 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 55号

デイヴSCORE8.25

香り
いっぱいに溢れる。熟成している、少量のピートのスモーク、チーズケーキの底のような甘いパリパリしたもの。ほのかにサワードー(発酵させた生のパン種)、草、秋の葉、乾いたオーク。
熟成年数にもかかわらず非常に率直。一度舌に染み込むと、別のものがゆっくりと広がる。カラメルにした黒ずんだ果物、トフィー、ブラジル・ナッツ。
フィニッシュ
驚くほど新鮮で、ピリッとして快いほど。
コメント
革表紙の書物が詰まっている古い図書館と、誰かが遠くでパイプをふかしているイメージが浮かぶ。

アーサーSCORE8.5

香り
ライム、熟していないマンゴと少し酸味のあるパンのような特徴、ブリオッシュのよう。アルコールのようで加水するとやや草っぽくなる。やがて、明確なミント・チョコレートとマジパン。
こんがり焼いたトーストにつけたライム・マーマレード。粘り気がある、やがてドライになって少しの樽っぽさをともなう。砂糖漬けのレモン。
フィニッシュ
いろいろな味、香りがする柑橘系の果物と樽っぽさ。砂糖漬けのレモン。
コメント
愉快で特徴的。変わり者の高齢の叔母さん。

デュワー・ラトレー ボウモア19901990    55.7%

  • 蒸溜所名: ボウモア蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • ブランド: デュワー・ラトレー
  • 価格帯: £41-70
  • 入手可能場所: ヨーロッパ、日本、ニュージーランド、ルーマニア
  • 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 55号

マルティーヌSCORE8

香り
フェノール。クレオソート。甘く麦芽っぽい特徴。塩辛い。若い革。レモンの皮。タンジェリンジュース。コケについた朝露。かすかにサバの燻製。
甘く、スモーキー。脂っぽい。爽やか。スモークがフィニッシュまでずっと残る。
フィニッシュ
やや煤っぽくピリッとする、ドライ。白胡椒。
コメント
率直で妥協しない。非常に良いバランス。ただ楽しむためだけの典型的なアイラの屋外用ウイスキー。

デイヴSCORE8.25

香り
強烈。バーベキューソース、海草、濡れた砂、熱い貝殻、チョコレート、ハラペニョ、熟した洋ナシ、メロン、魚の燻製が溶けて混ざっている。海っぽさと果物の見事なバランス。
ライトからミディアムなボディ。これもまた大きな衝撃。ラノリン、コルダイト、ピートのスモーク、魚篭、海草、海岸。奇妙な優雅さ。
フィニッシュ
長い、燻されて甘いフィニッシュをともなう。
コメント
調子が良い頃に戻った蒸溜所の素晴らしいウイスキー。