161号　テイスティングコメント　【後半／全2回】

September 6, 2019

from Issue 160

テイスティング:ロブ・アランソン、リンジー・グレイ

世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。

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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ（製造年）違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended（銀賞）もしくは Gold Editors Choice（金賞）が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ミクターズシングルバレル 10年 2010/1/1 47.0%

蒸溜所名: ミクターズ蒸溜所
地域: ケンタッキー
価格帯: £71-120
入手可能場所: 全世界

ロブ・アランソンSCORE9.3

香り: パンチにあふれた香り。バーベキューのスイートコーン、スモークした海塩、パプリカ粉をまぶしたポークチョップ。やがて木の香りがやってくる。オーク材の香り、真夏のおがくず、天然杉のブロック。やがて穏やかなメンソールの香りが立ち上がり、リネンの絆創膏やウィッチヘーゼル（アメリカマンサクのチンキ）のような匂いもする。
味: ブラックチェリーと、カカオ比率の高いダークチョコレート。糖蜜のケーキとトフィーバー。芳醇なラム肉。スパイスが立ち上がり、木のタンニンがはっきりと主張してくる。
フィニッシュ: 余韻は長く、パンチがある後味。いつまでも香りが続いて果てることがない。
コメント: ゴージャスの一言に尽きる。

リンジー・グレイSCORE9.2

香り: 砂糖の甘い香り。ルバーブ味のクランブルケーキ、キルシュシロップ漬けのチェリー、ゼラニウムの葉、ラムレーズンファッジを詰め込んだ紙袋。鼻をくすぐるような八角のスパイスが、全体を柔らかく包み込んでいる。
味: 八角、サンダルウッド、潰したフェンネルシード、焼いたチリフレーク。最後にはクリーミーな口当たりが、溶けたバターとトフィー味のポップコーンと融合する。
フィニッシュ: サウナにいるときに感じるような、喉の奥で感じるドライな口当たりの余韻がいつまでも続く。
コメント: 甘味、スパイシー、クリーミー、スパイシー、甘味、スパイシー、クリーミー、スパイシー。めくるめく風味の輪廻が続く。