161号　テイスティングコメント　【前半／全2回】

September 4, 2019

from Issue 160

テイスティング:ロブ・アランソン、リンジー・グレイ

世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。

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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ（製造年）違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended（銀賞）もしくは Gold Editors Choice（金賞）が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ザ・マッカランクエストコレクションテラ 41.0%

蒸溜所名: マッカラン蒸溜所
地域: スペイサイド
価格帯: £181-
入手可能場所: 全世界

ロブ・アランソンSCORE8.7

香り: 焦がした黒糖。それがボタンやヒースの花を感じさせるフローラルな印象に変化する。やがて掘り起こした土のような匂い。ジャージーロイヤル種のジャガイモにミント入りバター。塩の感触。
味: 塩キャラメルの味わいに、心地よい白コショウの刺激が伴う。グリルしたマンゴーとチリフレーク。やがてロブスターの鍋料理。トロピカルフルーツや青リンゴの風味も強まり、フルーツの入った木箱や包み紙のような印象もある。
フィニッシュ: アルコールのパンチがあるものの、やがてドライに霧散してフルーツ香や唐辛子のような辛味を残す。お茶のようなタンニンも感じさせる。
コメント: 大胆で力強い風味のウイスキー。アルコール性のフルーツサラダといった趣き。

リンジー・グレイSCORE9.0

香り: なぜか新品のウェリントンブーツの内側を思い出してしまうような匂い（良い意味で）。やがて時間が経つにつれてライスペーパー、消しゴム、乾燥アンズ、焼いたパイナップルなどの匂い。
味: 大好きなピニャコラーダを食べながら、急な雨に振られたような感じ。切りたてのパイナップル、ココナッツクリーム、焦がしたデメララシュガー、ネスレのミルキーバー、かすかなアロエベラの風味。
フィニッシュ: 余韻は短いが、壮大なフルーツ香を残す。一貫したクリーミーな感触もさらに増した後味。
コメント: 子供の頃に食べた「フライングソーサー」（駄菓子）。そのパイナップル味を想像していただければ、このウイスキーのイメージが伝わるだろう。