174号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

May 24, 2021

from Issue 174

テイスティング:フィービー・カルバー、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

コーヴァル フォーグレーンウイスキー    47.0%

  • 蒸溜所名: コーヴァル蒸溜所
  • 地域: イリノイ
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: コアレンジ

フィービー・カルバーSCORE8.5

香り
ヘビーなシリアル香。その後で、甘いライのスパイス香が現れる。焼きたての全粒粉パンのたっぷりのハチミツを塗ったような香り。ミルクモルトビスケットに散らしたココナッツ、キャラメルの甘い香り、黒っぽい果皮のベリーのコンポート。
最初の一口で繊細に感じるオイリーな口当たり。その後からビスケットや全粒粉の風味がスパイスのミックスとともに戻ってくる。クレームカラメルのようなあたたかいバニラ風味に、かすかなラベンダーのハチミツの味もある。
フィニッシュ
ドライなタンニンの後味。ナツメグや全粒粉のような重量感のある余韻。
コメント
このウイスキーの香りが大好き。そして口に含んでも、心地よく個性を発揮して広がりを見せる。

クリストファー・コーツSCORE8.1

香り
心地よい複雑さを持った香り。焼き立ての全粒粉パン、キャラメルビスケット、ゴールデンシロップ、マヌカハニー、コーヒーの口当たり、シナモン、クミン、白コショウ、コリアンダーシード、セージ、ヒッコリー材、赤いベリー系フルーツ、ブラックベリー、ブラックチェリー、ブルーベリー。
かすかに辛味の刺激。香りと同様のパンっぽい風味がふんだんにある。味覚ではデニッシュ風のライ麦パンや、レーズン入りモルトローフにハチミツを塗ってトーストしたような味。シナモン、ナツメグ、ショウガなどのスパイスが主張し、やがてドライに霧散していく。
フィニッシュ
余韻の長さはミディアム。スパイスの感触が持続し、タンニンがしっかりと主張する。
コメント
香りで感じた複雑さが、味覚では同じように再現されていない。それでも全体的には、お代わりをしたくなるような味わいに仕上がっている。



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