世界のウイスキー
およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。
テイスティングWhisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。
推奨ボトルテイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。
トマーティン 19671967 40年 42.9%
- 蒸溜所名: トマーティン蒸溜所
- 地域: ハイランド
- 価格帯: £71 plus
- 入手可能場所: 世界各地
- 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 74号
マルティーヌSCORE7.8
- 香り
- 絶対に古いウイスキー。杉、古い床。骨董屋。蜜蝋。古い革の肘掛け椅子。シナモンで調理したリンゴ。オレンジ・カード。フルーツと樽の複雑な相互作用。
- 味
- 非常にスムーズでベルベットのよう。同じフルーツとオークのミックス。ヒマラヤスギのよう。ソフト・スパイスが広がる。
- フィニッシュ
- 持続する。鎮静する、ずっとフルーツが続く。
- コメント
- 見事な古いウイスキー。ただし、もうオークにはいれておけない。うんざりさがやってくるのを感じることができる。
デュワー・ラトレー ロングモーン 19921992 15年 56.8%
- 蒸溜所名: ロングモーン蒸溜所
- 地域: スペイサイド
- ブランド: デュワー・ラトレー
- 価格帯: £41-70
- 入手可能場所: 英国、ヨーロッパ、日本
- 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 74号
デイヴSCORE8.2
- 香り
- ビッグ、非常にバターのよう、実際、パンケーキの上に厚く塗ったバターだ。背景にライムの高揚、ココナツのわずかな匂いもある。たくさん、たくさんのトフィー、ソフトでリッチなフルーツ、リンゴの皮。気品がある。
- 味
- おもしろいほど「悪い」、フルーツはそっと美味しくなる、香りは荒々しい、トフィーはやや苦い方。
- フィニッシュ
- レーズン。
- コメント
- 奇妙なことに素晴らしい、蒸溜所のボトルと同じくらい美味しい。
ロブSCORE8.7
- 香り
- 大胆、ビッグ、多層的。酸っぱくて熟していないフルーツ、ライム、スグリ、ラズベリーのあの酸っぱさをともなう。ファッジの袋。
- 味
- ほとんどクリーミーなファッジのようでレモンの芯をともなう。やや苦いエッジが加わるが、ゆがんでいない。
- フィニッシュ
- オークがドライになるが、もっと飲みたくなる。
- コメント
- 非常に、非常に飲みやすい、しかし、理解するのに時間がかかる。
デュワー・ラトレー リンクウッド 19891989 18年 58.7%
- 蒸溜所名: リンクウッド蒸溜所
- 地域: スペイサイド
- ブランド: デュワー・ラトレー
- 価格帯: £41-70
- 入手可能場所: 英国、ヨーロッパ、日本
- 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 74号
デイヴSCORE8
- 香り
- 深みがあり伝統的なフルーツ・ケーキの特徴をともなう。下のほうに少しの樽のスモーク。甘草とトマトの葉とワニスをともなう。
- 味
- サルタナ・レーズンとチョコレートがかかったレーズン。多層的で少しの薔薇の花びらとサクランボの特性をともなう。スピリットとオークのカスクのバランスをとるのに十分なグリップ。
- フィニッシュ
- 長い、濃厚。
- コメント
- ビッグでオークのよう、しかし、素晴らしい(バランスが良いからだ)。
ロブSCORE8.5
- 香り
- あの茎から摘んですぐのトマトの匂い、フレンチ・ポリッシュ(鏡面仕上げ)、蜜蝋。少しの燃えている生の木材。
- 味
- 非常に噛み応えがあり、オークのよう。濃い色のフルーツでほとんどプラム・プディングをともなう。
- フィニッシュ
- 輝かしく口にまとわりつく。
- コメント
- 素晴らしいウイスキー、分かち合うべきもの。
デュワー・ラトレー ラフロイグ 19901990 18年 56.6%
- 蒸溜所名: ラフロイグ蒸溜所
- 地域: アイラ
- ブランド: デュワー・ラトレー
- 価格帯: £41-70
- 入手可能場所: 英国、ヨーロッパ、日本
- 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 74号
デイヴSCORE8.1
- 香り
- クリーン、非常に開放的。海の香りがする。朝日の中の潮溜まり。ピートの油と芳香剤のような乾燥させたラベンダー。加水するとタールのよう。ずっとライト。
- 味
- 紫色のピートのスモークが浜辺から立ち上がっている。ソフトで多層的で、少しのバニラのスムーズさをともない、その後、コショウ、焦げた木材、クレオソート。
- フィニッシュ
- ライト、塩気がある。
- コメント
- 素晴らしいバランス。独特の上品さ。
ロブSCORE8.6
- 香り
- あのビッグなアイラのピートのスモークで一撃をくらう。塩のスプレイーと混ざった少しライトなバニラ。
- 味
- 香りからすると、かなり穏やか。さらに良い香りのピート、あの甘いバニラの特徴が通過する。
- フィニッシュ
- ドライになる、塩気がある。
- コメント
- 長い秋の一日にビーチで飲むのが一番いい飲み方だ。できれば、アイラで。
ソサエティ No. 116.12 余市 21年 21年 54.2%
- 蒸溜所名: 余市蒸溜所
- 地域: 日本
- ブランド: ザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ
- 価格帯: £41-70
- 入手可能場所: 会員に限定
- 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 74号
デイヴSCORE9
- 香り
- 漁船の船団が入ってきた漁港。魚油、クレオソートを染み込ませたロープ、スモーク。全てが凝縮して、樹脂質。ほのかにポプリ、その後、フェノールが戻る、焦がした木材、パイプタバコ。
- 味
- 非常にスモーキーでビッグで強烈、背景にリッチでオイリーな重さをともなう、次に煤っぽく、あの樹脂の香り、燻製小屋、樟脳、海草。この長さと層化により比類ないウイスキーになっている。
- フィニッシュ
- 長い、消えかかっている残り火。
- コメント
- あー、余市よ。君は北海道のアードベッグだ!
マルティーヌSCORE7.9
- 香り
- スモーキーで薬っぽい。大いにクレオソートの匂い。ライトなアロマが通り抜ける。ココナツ、バニラ。草のような特徴。刈りたての芝生。
- 味
- しゃきっとしていて、クリーン。甘さがスモークのベールを通過する。ほのかに海草。心地よいファッジのような特徴(塩味のバター・カラメル?)
- フィニッシュ
- ドライになるが少しオイリー。ずっとスパイシー。
- コメント
- アイランドの特徴。クリーンでしっかり構成されている。唇に残る塩の感触が好きだ。ワイルドな方を試してみては……
ソサエティ No. 64.15 マノックモア 15年 15年 57.1%
- 蒸溜所名: マノックモア蒸溜所
- 地域: スコットランド
- ブランド: ザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ
- 価格帯: £41-70
- 入手可能場所: 会員に限定
- 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 74号
デイヴSCORE8.3
- 香り
- ドライで麝香のよう。物置小屋、ローズウッド、ボイルド・スウィーツ(キャンディー)、グリーン・カルダモン。加水するとエステルのようになり、少しの蝋燭の蝋の性質が加わる。興味深い。
- 味
- 開くと見事でピュアなパッション・フルーツになり、さらに新鮮なミントの葉をともなう。下にチョコレートのようなオークがあり、ライトでナッツのようなグリップ。そのナッツっぽさが、だらけることを阻止している。
- フィニッシュ
- 長い、複雑。
- コメント
- 多面的で魅力的。
ロブSCORE8
- 香り
- 乾きつつある秋の葉、甘いオーク、香りの良いスパイス、香りの良い蝋燭とすらいえる特徴、洗ったばかりのミント、みずみずしい樹皮。
- 味
- 甘くジューシーなフルーツの大ヒット、ほとんどマンゴー、あのミントの特徴が戻る。ミルク・チョコレートとへーゼルナッツも。
- フィニッシュ
- 少しドライになるが非常に多層的。
- コメント
- 一晩中厭きさせないウイスキーで、夜中になってしまう。
シングル・モルト・オブ・スコットランド ベンリアック 19841984 23年 54.2%
- 蒸溜所名: ベンリアック蒸溜所
- 地域: スペイサイド
- ブランド: ザ・ウイスキー・エクスチェンジ
- 価格帯: £71 plus
- 入手可能場所: 世界各地
- 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 74号
デイヴSCORE9
- 香り
- 濡れた草、少しのドラフ、次にライトな香りのウッドスモークと赤いリンゴ。加水するとどんどん複雑になる。乾燥スパイス、次に、ほのかにナツメヤシ、そして、その上でスモークがじっとしている。複雑。
- 味
- 始まりはスモーキーで、次に中央が甘く濃厚。チョコレートとナッツ。フィニッシュはごくかすかに白檀。ブロンド・タバコ、チョコレート、たくさんのナツメグ。加水すると、本当にそのタバコがやってくる。
- フィニッシュ
- 長い、複雑、ややスパイシー。
- コメント
- 申し分ないバランス。上品。優れたウイスキー。
マルティーヌSCORE7.6
- 香り
- チクチクする。フェノール。美味しいクレオソートのわずかな匂い、シリアルが混ざっている。少し、穀物っぽくさえある。スコティッシュ・トフィー。
- 味
- 強烈にスモーキー。香りよりもスムーズ。ベルベットのような心地よい感触。ロースト・ビーフの肉汁。リコリス・ローザンジュ(小さいのど飴)。加水すると苦い特徴が出る、ドライになるスパイシーなフレーバー(粉末状のショウガ)。
- フィニッシュ
- すぐに消えていく、塩っぱい味が残る。
- コメント
- 戸外用のウイスキー。暖まるが少しエッジがある。まだ荒々しい。
シングル・モルト・オブ・スコットランド クラガンモア19851985 22年 56.7%
- 蒸溜所名: クラガンモア蒸溜所
- 地域: スペイサイド
- ブランド: ザ・ウイスキー・エクスチェンジ
- 価格帯: £71 plus
- 入手可能場所: 世界各地
- 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 74号
デイヴSCORE8
- 香り
- 穏やか。はっきりしたオークの特徴、つまり、バタースコッチとホイップクリーム、それに、そういうふわふわした表面の背後で遠く唸っている炒った深みをともなう。ジャスミンとマジパン。オークが積極的、しかし、美味しそうな、生気溢れる成熟した特徴。
- 味
- 熟していてやや蜂蜜がかかったモモ/ネクタリン。素敵で深い中間の味をともない、栗のピューレに移る。
- フィニッシュ
- オイリー。
- コメント
- バランスがとれていて、穏やか。飲む価値がある。
マルティーヌSCORE8
- 香り
- 花のようで上品。ミルク・チョコレートでコーティングされたトルコ牛皮。非常にゆっくりしている、バニラと絡み合った麦芽のような特徴が広がる。素晴らしい酸っぱいフルーツっぽさ。
- 味
- シルクのよう、スムーズ、次にスパイシーな爆発がハリケーンのように甘さを一掃する。しかし、フルーツが立ち向かう。グズベリー・フール(グズベリーを煮詰めてクリームと砂糖を加えたもの)。
- フィニッシュ
- ドライ、スパイシー、次にアーモンドのような後味(ブラマンジュ)のおかげで甘くなる。
- コメント
- 意外。成熟した優しいウイスキーを期待したが、元気旺盛なティーンエージャーだった。全然退屈しない!
ボイスデール アイラ(ラフロイグ) 46.0%
- 蒸溜所名: ラフロイグ蒸溜所
- 地域: アイラ
- ブランド: ボイスデール
- 価格帯: £26-40
- 入手可能場所: 限定されている
- 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 73号
デイヴSCORE7.7
- 香り
- ちょっとつんと来て耳が痛いほど。泥炭質のスモーク、乾いたタールが飛び散ってついている緑のシダ。開いて穀物/マッシュになり少しのアーモンドとオヒョウ油になる
- 味
- 葉巻の煙をすった咳、次に燃えている葉。香りあったによりも多いフェノールでスモークと麦芽のバランスが良い
- フィニッシュ
- 非常にドライでしゃきっとしている
- コメント
- 整然としていて楽しめる
マルティーヌSCORE8.3
- 香り
- 強烈、麦芽のよう。藁。農場の匂い。抑えられたクレオソートの特徴。熟していない洋ナシ。ガーデン・ミント。少しの海の空気の気配
- 味
- 甘くて誘惑的。夏のフルーツの素晴らしい盛り合わせ。洋ナシ(今度は熟している)、スイカ。スパイシーな爆発で口がドライになる
- フィニッシュ
- クリーンでドライ
- コメント
- 春の木の葉の音のように活気がある。香りのパレットが水彩画のように現れる。多層的で調和的
ナンバー・ワン・ドリンクス 軽井沢 1971 カスクNo.68781971 64.1%
- 蒸溜所名: 軽井沢蒸留所
- 地域: 日本
- ブランド: ナンバー・ワン・ドリンクス
- 価格帯: £71 plus
- 入手可能場所: 世界各地
- 掲載号:ウイスキーマガジン・ジャパン 73号
デイヴSCORE9
- 香り
- 樹脂質。没薬。蜜蝋のつや出し剤、ほのかに香。芳しく、そして、オイリーになる、茶と皮をともなう。深みがあって一風変わっていて、それに加えて、ほとんど血のようなエッジをともなう。成長して、成熟している、複雑
- 味
- 樹脂質の性質が続いてスモークをともなう、クログルミ、ロングペッパー、ボリバル葉巻。加水すると効果的。古い、しっかりしたグリップ。
- フィニッシュ
- 長い、エキゾチック、一風変わっている
- コメント
- 大人の同意を得たときに少しだけ飲むべき。最高に推薦する
マルティーヌSCORE8
- 香り
- 非常にツーンとする。ナッツのよう。リッチ。干したアーモンドとレーズン。非常に風味のよいダンディー・ケーキの特徴が現れる。しかし、アルコールが攻撃的。ほのかに古い皮。加水すると、ドメスチカスモモの実
- 味
- アルコールの特徴が強すぎてスムーズだと「自称」する感触を楽しめない。加水すると熟したフルーツの特徴が現れる。そして、素晴らしいスパイシーな花綱
- フィニッシュ
- トフィーのよう、穏やかにスパイシー
- コメント
- 確かに、鼻をすっきりさせる。活気溢れる性質を和らげ、リッチさを堪能するためには水が必要
デイヴSCORE9.1